【内窓で障子の断熱効果をさらに高める方法とは?】障子風の内窓設置のメリットや、おすすめの障子風内窓まで徹底解説

障子は日本らしい和の風情があり、見栄えがするため、洋風が主となった現代の住宅にもいまだ和室は欠かせないものであり、1つの住宅に1室は和室があると言っても過言ではありません。

しかし、古き良き日本の伝統を受け継ぐ障子には、色々なメリットがある一方で、デメリットももちろんあります。

その上、どうしても涼しげなイメージがあるため、気持ち的に冬の寒さを感じやすく、さらに断熱効果を高めたいと考える方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、障子の断熱効果をさらに高める方法をご紹介しながら、障子風の内窓・二重窓設置のメリットや、おすすめの障子風内窓まで徹底解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

障子とは

障子風の内窓・二重窓などをご紹介していく前に、まずは原点に立ち返り、障子とは何かを今一度押さえておきましょう。

障子とは、今さら言うまでもなく、古くから長い歴史を刻んできた、日本が誇る伝統的な和の建具のことです。

木の枠に和紙などの紙を貼り付ける障子は、もともとガラスが存在しない時代に生み出され、当時は、現代のような窓の代わりに、外の冷気や風を防ぎつつ、太陽光の明るさを採り入れ、プライバシーを守るためにあらゆる部屋に用いられていました。

障子のメリット

障子について今一度振り返ったところで、日本人に長く愛されてきた障子のメリットを5つご紹介していきます。

  • 直射日光を避けつつ部屋を明るくできる
  • すっきりとした印象になる
  • 洋室に取り入れるとモダンな雰囲気になる
  • 保湿性がある
  • 実はガラス以上の断熱効果がある

直射日光を避けつつ部屋を明るくできる

障子に用いられている和紙は、光を拡散させるという効果を持ちながら、完全な透明ではないため、直射日光を避けつつも、部屋全体を明るくできます。

真夏の強い日差しはもちろん、夕方の眩しい西日からもしっかりと守ってくれるので、障子にはカーテンが不要というわけです。

すっきりとした印象になる

引き戸ではなく、引き込み戸の場合には、障子を開けた時に部屋が広く見え、すっきりとした印象になるというメリットがあります。

さらに、一般的には、障子にカーテンを取り付けることはないため、より部屋の空間を広々と使用することができ、圧迫感を感じることがありません。

洋室に取り入れるとモダンな雰囲気になる

障子と言えば、昔ながらの畳ばりの和室とセットと思いがちですが、実は洋室にも障子は取り入れやすい建具であることをご存知でしたか?

障子には、想像以上に様々な枠のパターンがあるなど、非常に豊かなバリエーションがあります。

そのため、フローリングやカーペットなどの床はもちろん、アジアンテイストのインテリア、木の温もりを感じるインテリアなど、色々な洋風の雰囲気と組み合わせることで、よりおしゃれで和と洋が融合したモダンな雰囲気を演出することができるのです。

保湿性がある

障子に用いられている和紙には、保湿性があるため、夏には煩わしい湿気を吸い取り、冬にはちょうど良い湿度を保ち、感想を防いでくれるという効果が期待できるのもポイントです。

実はガラス以上の断熱効果がある

障子は畳とセットというイメージが強い上、和室は冬は寒い印象がありますが、実は、障子には、ガラスやカーテン以上の断熱効果があるということを忘れてはいけません。

一般的なガラスはおよそ90%もの熱を通す性質を持つのに対し、障子はおよそ40〜50%しか熱を通さないと言われており、ガラス窓を設置しておくよりも、実は高い断熱効果があるのです。

とはいえ、後ほど解説する障子風の内窓・二重窓があると、より高い断熱効果を期待することができることは確かです。

障子のデメリット

障子のメリットについてご紹介しましたが、次の3つのデメリットがあることも、頭の隅に入れておきましょう。

  • 破れやすい
  • メンテナンスが面倒
  • 後付けが難しい

破れやすい

障子は和紙でできているため、どうしても破れやすいという特性を持ちます。

小さなお子様をはじめ、犬や猫といったペットがいるご家庭では、あるあるだと思いますが、気づいたら障子の一部に穴が空いてしまっていたり、破れ落ちてしまっていたりすることもあるのではないでしょうか。

穴が空いたり、破れてしまったりしたら、そのまま放っておくわけにもいかず、張り替えに手間やお金がかかってしまうので、非常にテンションが下がる出来事だと思います。

メンテナンスが面倒

前述したように、和紙は破れやすいだけでなく、経年劣化で日焼けして黄ばみやすい性質を持っているため、ある程度の年月で張り替えをしなければならない建具です。

さらに枠部分は、埃が溜まりやすいのに、掃除にはとても手間がかかるというデメリットがあり、障子は総合的にメンテナンスが面倒であると言えるでしょう。

後付けが難しい

障子は引き戸あるいは引き込み戸として取り付けるため、既存の住宅に後付けすることが非常に難しい建具の1つと言われています。

そのため、住宅を新築する際に、最初から取り付けておくのが無難です。

しかし、実際にはそこまで考えず、家を建築して住み始めてから、障子が魅力的に感じ、後付けしたいと考え、実際には後付けが難しいということに気づくことがしばしばあります。

こうした場合にも、障子風の内窓・二重窓だと、窓のように後付けできることがあるので、とてもおすすめです。

障子の断熱効果をさらに高める方法

先ほど、障子はカーテンはもちろん、一般的なガラスよりも高い断熱効果を持つと述べましたが、それでもやはりさらに高い断熱効果を求めるのが人間の性です。

ここでは、障子の断熱効果をさらに高める方法を6つピックアップしましたので、1つずつ確認していきましょう。

  • 障子を太鼓張りにする
  • 障子の隙間をテープでふさぐ
  • 雪見障子に替えなおかつ断熱ガラスを嵌め込む
  • 断熱障子シートを取り付ける
  • 窓ガラス自体を取り替える
  • 障子風の内窓を設置する

障子を太鼓張りにする

通常障子の和紙は、片面にのみ張られていますが、太鼓貼りでは、両面に和紙を張ることになります。

そのため、桟と組子の間、およそ1cmほどに空気の層が生み出され、断熱性が高まるのです。

しかし、桟と組子が和紙によって少し見えなくなるため、障子本来の美しさが損なわれるというデメリットがあることを覚えておきましょう。

障子の隙間をテープでふさぐ

外からの冷気が入ってくる、あるいは室内の暖気が外へ逃げていく原因が、障子を閉めている時の隙間にありそうな場合には、隙間をテープで塞ぐというのも1つの手段です。

開閉頻度の高い障子には、ゴムのような弾力と、耐久性の高さを兼ね備えた隙間テープを、開閉頻度が少ない障子であれば、発泡ウレタンフォームといった比較的柔らかな隙間テープを用いると、より高い効果が期待できます。

雪見障子に替えなおかつ断熱ガラスを嵌め込む

雪見障子は、あまり聞き慣れないかもしれませんが、室内から庭などの美しい雪景色を満喫することができるように生み出された、上半分が和紙の張られた障子、下半分にはガラスが嵌め込まれた建具のことです。

風情ある日本家屋や、格式高い旅館などで、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

ガラス部分には、プライバシーを守るために、小さな開閉式の障子も付いているので、安心できますし、下半分のガラスを、断熱効果の高いガラスにすることで、より室内の温度を一定に保つことができるはずです。

断熱障子シートを取り付ける

近年では、一般的な和紙よりも、さらに高い断熱効果を持つ断熱障子シート、あるいは遮光障子という商品が登場していることをご存知ですか?

これらの商品を取り付けるだけでも、断熱効果をアップさせることができるので、自分で簡単にDIYしてみても良いかもしれません。

窓ガラス自体を取り替える

現代の住宅の障子は、いきなり外と面していることはほぼありません。障子の外側に窓があるということが一般的なのではないでしょうか。

その場合、あえて障子はそのままで、外側の窓ガラスを取り替えるというのも、断熱効果を高める手段の1つです。

ただし、ガラス交換だけでは、期待しているような断熱効果を得ることができなかったり、窓枠ごと窓を取り替える場合には、壁にも干渉する工事をしなければならなかったりと、費用対効果が低く、大掛かりな工事になる可能性が高くなります。

障子風の内窓を設置する

そもそも障子を外してしまって、障子風の内窓・二重窓を設置するというのもおすすめです。これは、もはや和紙ではなく、障子風の内窓を取り付け、二重窓になるということなので、他の方法よりも、最も断熱効果が高い方法と言えます。

部屋のイメージはそのままで、なおかつ簡単な工事で済むというのも嬉しいポイントです。

障子の断熱効果をさらに高めるには障子風の内窓設置が最もおすすめ

障子の断熱効果をさらに高める方法について、ご紹介してきましたが、やはり最も高い断熱効果を求めるなら、障子風の内窓・二重窓設置がおすすめです。

見た目の雰囲気を損なわないだけでなく、防音効果や遮熱効果、既存窓の結露の防止など、機能面でも様々なメリットを享受することができるため、障子風の内窓を設置して、後悔することはあまりないと言っても過言ではないでしょう。

他にもある!障子風の内窓設置のメリット

障子風の内窓・二重窓設置には、断熱効果をはじめとする一般的な内窓を設置する際のメリット以外にも、独自のメリットがありますので、見ていきましょう。

障子紙でなくなり破れなくなる

そもそも障子紙でなくなるため、和紙が破れてしまい、見栄えが損なわれてしまうと言った事象が起きなくなります。

そのため、お子様やペットがいるご家庭でも、安心して和室で遊ばせることができるようになるでしょう。

メンテナンスが簡単になる

障子紙でなくなり、破れなくなるのと同時に、日焼けで黄ばむなど、経年劣化がしづらくなるため、定期的な障子紙の張り替えが不要となるなど、非常にメンテナンスが簡単になるのもメリットです。

また、桟と組子がガラスの中に入ったり、桟と組子自体フェイクとなったりするため、和紙張りの障子と異なり、桟と組子部分の掃除が不要となり、非常に掃除が楽になるという特徴もあります。

施工時間が短い

既存の障子を障子風の内窓に交換するだけなら、施工はとても簡単なものとなり、非常に短い時間で完了するのも嬉しいポイントです。

障子風の内窓自体の価格はそれなりにするかもしれませんが、施工業者にかかる費用は抑えることができます。

防犯効果が高くなる

一般的な障子には、鍵が付いていることはありません。しかし、障子風の内窓であれば、普通の窓のように鍵を取り付けることができるため、単純に防犯効果が高くなります。

もちろん、既存窓と合わせれば、2つの施錠がなされるということなので、空き巣や強盗犯も見た目から侵入の試みを避けやすい家になるでしょう。

障子風の内窓にはYKKAP プラマードUがおすすめ

障子風の内窓・二重窓設置のメリットについてご紹介してきましたが、これから、障子風の内窓を設置するという方には、YKKAPのプラマードUがおすすめです。

YKKAPのプラマードUには、洋風なものも障子風なものも様々なバリエーションがあるので、色々な部屋に取り付けやすいという特徴がありますが、ここでは、障子風の内窓として、下記の2つのガラスをご紹介していきます。

  • 和紙調単板ガラス
  • 和室用複層ガラス

和紙調単板ガラス

和紙調単板ガラスは、一般的な障子和紙の風合いを演出するために、1枚のガラスに、和紙風のフィルムを貼って、障子のような見た目を実現しています。

このフィルムは、紫外線を99%カットしたり、万が一ガラスが破損してしまった時の飛散防止効果があったりと、見た目以外にも効果を持つことが特徴的です。

また、格子の見た目も複数パターンから選ぶことができます。

和室用複層ガラス

和室用複層ガラスは、2枚のガラスで格子を挟んで作られたガラスです。太鼓張りのガラスバージョンと言っても良いでしょう。

もちろんフィルムではなく、半透明のような、少し柔らかい印象のすりガラスが採用されているため、和紙調単板ガラスよりも、価格は高いですが、より高い断熱性能を求めているならおすすめです。

また、こちらも格子のデザインが選択可能となっています。

まとめ

障子の断熱効果をさらに高める方法について、この記事では、障子風の内窓・二重窓設置のメリットや、おすすめの障子風内窓まで徹底解説してきました。

障子の断熱効果を高める方法には、様々なものがありますが、とにかくダントツで効果が高いのは、障子風の内窓を設置することです。

費用はかさむかもしれませんが、場合によっては、国や地方自治体の様々な補助金制度を活用することもできるので、施工業者と相談してみると良いでしょう。

色々な障子風の内窓が存在しているので、費用や見た目などを吟味して、最も納得のいくものを選んでください。

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