【マンションの内窓リフォームは個人でできる?】管理規約や内窓リフォームの注意点を徹底解説!

マンションにお住まいの方でも、窓から隙間風が入ってくるなどして、冬は部屋が暖まらなかったり、夏は涼しくならなかったりと、室内温度の悩みが尽きないのではないでしょうか。

さらには、近隣に音を遮るような建物がない場合、外からの車やバイクの走行音や、犬猫の鳴き声、公園から聞こえてくる騒ぎ声など、様々な騒音にも悩んでいるかもしれません。

内窓・二重窓リフォームをすると、こうした悩みが解決すると言われていますが、マンションの内窓リフォームは個人でしても良いものか判断がつかないことも多いと思います。

そこでこの記事では、マンションの内窓リフォームは個人でできるのか否かをはじめ、マンションの管理規約や内窓リフォームの注意点を徹底解説していきます。

マンションの内窓リフォームは個人でできる?

結論から言うと、マンションの内窓・二重窓リフォームは、個人でもできる場合が多いです。

そもそも内窓リフォームとは、既存の窓枠を生かして、内側に新しい別の窓を取り付けることであるため、既存窓を交換したり、壁に穴を開けたりということは基本的に必要ありません。

つまり、マンションの管理規約上、共用部分ではなく、専有部分にあたることが一般的ですので、内窓リフォームは個人でもできると言えます。

ただし、全てのマンションにおいて、専有部分にあたるとは限りません。そのため、お住まいの管理規約をきちんと確認しなければならないのです。

マンションの管理規約とは

そもそもマンションの管理規約とは、不特定多数の住民が住まうマンションにおいて、それぞれの住民が快適な日常生活を送るために、一定のガイドラインを定め、明記したものです。

実は、国土交通省による「マンション標準管理規約」をベースにし、各マンションごとに制定されています。

主に、共用部分とされる範囲を明確に位置付けていたり、管理組合運営の必要事項が定められていたりするので、マンション契約時には必ず1度は目を通している書類のはずです。

また、災害時などの措置などについても記載されていることがあるので、全て頭に入れることは難しくても、要所要所を読み込んで、大事な箇所だけは理解しておくと安心できます。

そして、管理規約には、内窓・二重窓設置など、様々なリフォームの可否などが示されており、内窓リフォームを検討する際には、まず第一に目を通し、内窓リフォーム自体禁止されていないかなどを確認することが必要です。

マンションのリフォームにおける主な制限

ここでは、一般的なマンションの管理規約に定められていることが多い、リフォームにおける主な制限について、1つずつ確認していきましょう。

もちろん、下記はあくまでも一般的な制限ですので、お住まいの管理規約によっては、制限されない場合があります。

  • 構造体
  • 玄関ドア
  • パイプ
  • バルコニー
  • エアコンの設置
  • 天井高

構造体

構造体とは、建造物の構造そのものを形作る部材の総称のことです。当たり前ですが、構造体は、個人のものではなく、マンション全体の共有部分と見做されます。

そのため、抜本的な構造柱をはじめ、梁や各戸界壁、床スラブなどといった構造体に干渉するリフォームは、許可されることは基本的にないのです。

玄関ドア

マンションの玄関ドアも共有部分にあたります。玄関ドアも開口部であるため、窓の次に熱が逃げやすく、リフォームを検討される方が多いですが、玄関ドアそのものを交換したり、色を塗り替えたりすることはできないので注意しましょう。

ただし、管理規約によっては、ドアの内側(室内側)は、専有部分と見做される場合があります。

この場合には、ドアの性能を維持したままという前提ではありますが、ドアの内側の色を塗り替えたり、シートを貼ったりなどと、一部の仕様を変更することができる可能性があります。

パイプ

マンションにおけるパイプとは、給水管をはじめ、排水管や、ガス管などのことです。

これらのパイプを交換したいと思うことは稀だとは思いますが、交換したり、移動したりすることはできないので、注意してください。

マンションの既存の窓は、外壁に埋め込まれているため、外壁同様共用部分と見做されることが多く、窓枠ごと交換することは基本的にできません。

ただし、管理規約によっては、既存窓の窓ガラスのみの交換であれば許可されることもあるため、1度確認してみると良いでしょう。

また、内窓・二重窓リフォームであれば、既存窓をそのままの状態で、専有部分に新しい窓を設置することができるので、大抵の場合マンションでも許可が出ることが多いです。

ただし、室内側とはいえ、既存窓枠に穴を開けることになるため、きちんと管理組合に伝えておく必要があります。

バルコニー

マンションのバルコニーは、ほとんどの管理規約では、専有部分ではなく、専用で使用可能な共用部分とされていて、1部屋だけが大きくリフォームしてしまうと、外観に大きく影響があるため、リフォームは不可能となっています。

避難経路を塞がないようにしつつ、階下へ漏水しないよう、排水ドレインが詰まらないように日々のメンテナンスが必要な箇所ですので、特に注意しましょう。

エアコンの設置

マンションにおいて、エアコンの付いていない部屋に、新しくエアコンを取り付けたいという一見許可が出そうなケースでも、マンションでは許可が降りないので注意してください。

エアコンを設置する際には、室内機だけでなく、室外機を設置します。その際、室内機と室外機を結ぶための配管を通すために、構造体にあたる壁に穴を開ける必要があるためです。

どうしても、エアコンを新設したいという場合には、室外機のない、窓に設置できる窓用エアコンの設置を検討しましょう。

マンションによりますが、例えば、カーペット仕様の床をフローリングにしたいという場合には、専有部分にあたるため、許可が出る場合があります。

ただし、フローリングにする場合には、階下への騒音対策を施す目的で、遮音等級のあるフローリングにしなければならないことがあるので注意が必要です。

そもそも、カーペット仕様の床は、足音などの音を吸収しやすいという特性から、マンション全体の騒音対策として採用されていることが多いことを覚えておきましょう。

同じように、スペースを有効活用したいという思いから、床下収納を新設したいと考える方もいらっしゃるかと思います。

しかし、コンクリート部分に穴を開ける必要があり、構造体に干渉することになるので、床下収納を新設というリフォームには許可はでないでしょう。

天井高

お住まいの部屋の天井が低く、圧迫感があり、天井高を上げたいという場合には、構造体に干渉しないコンクリートの内側までならば、天井裏が専有部分にあたるので、天井板を外し、ギリギリまで天井高を上げることができることがあります。

しかし、こちらもマンションの管理規約によるので、必ず確認してください。

窓・ドアなどに関するマンション標準管理規約第22条とは

内窓・二重窓リフォームの多くは、マンションであっても、許可が出ることが多いと述べましたが、その背景には、マンション管理規約のベースとなっている、国土交通省が定めているマンション標準管理規約があります。

マンション標準管理規約第22条には窓ガラス等などの改良として、下記のような内容が記載されているので覚えておきましょう。

マンションの共用部分のうち、各戸に附属している窓枠をはじめ、窓ガラスや玄関ドア、そのほかの開口部に係る改良工事であり、防犯や防音、または断熱などの性能の向上などに資するものについては、管理組合が責任と負担において、計画修繕として、実施するものとする。

上記は、噛み砕いて記載したものですが、つまり、基本的に共用部にあたる既存窓の交換などは、管理組合が基本的に計画して実施するようにということです。

また、マンション標準管理規約第22条の2には、次のようなことが記載されています。

管理組合は、前項の工事を速やかに実施できないという場合に、当該工事を各区分所有者の責任及び負担において実施することについて、細則を定めるものとする。

もし、どうしても既存窓を交換したいという場合、管理規約上不可であっても、上記マンション標準管理規約第22条のことを引き合いに出せば、何かしら管理組合から回答を得ることができるかもしれません。

もちろん、原則的には、既存窓のリフォームは難しいので、専有部分にあたるであろう内窓リフォームを検討する方がよりスムーズと言えるでしょう。

参照URL:https://www.mlit.go.jp/common/000161664.pdf

マンションの内窓リフォームの注意点

最後に、マンションの内窓・二重窓リフォームの注意点を5つおさらいしておきます。

  • 管理規約を確認
  • 管理組合に確認し許可をとる
  • 施工スケジュールの共有
  • 近隣住民への配慮
  • 当日の搬入経路の確認

管理規約を確認

内窓リフォームをしようと思い立って、どんどん話を進めてから、実は管理規約上内窓リフォームが禁止されていたと知ったら、時間の無駄になってしまいますし、とても落胆するはずです。

後ほど後悔しないように、必ずまずはじめに管理規約を確認するようにしましょう。

ただし、管理規約を読んでみて、明らかに内窓リフォームをしても大丈夫そうであっても、逆に難しそうであっても、管理組合に確認をとるようにしてください。

管理組合に確認し許可をとる

管理規約を確認したのち、仮に内窓リフォームが問題なさそうであっても、念の為、管理組合に確認をとり、許可をとっておくと安心です。

実は、自分の目の通していない箇所に、記載があったり、内窓リフォームにも条件がついたりする可能性があります。

当たり前ですが、管理組合に許可をとるのが面倒くさいからといって許可を取らなかったり、管理規約的に問題ないからといって勝手に進めたりしても、良いことは何もありません。

後ほど、内窓リフォームが発覚した時や退去する時などに、現状復帰のための費用を請求されるなどといったペナルティを課される場合がありますし、長く円満に住み続けたいなら、事前に正直に相談しておくに越したことはないでしょう。

施工スケジュールの共有

管理組合に許可をとって、設置する内窓を決め、施工業者を決めたら、管理組合に施工スケジュールの共有もしておく必要があります。

施工予定日時や、所要時間、業者名、どのような内窓を取り付けるのか、どのような作業になるのかなど、可能な限り提示しておくことで、無用なトラブルを避けることができるでしょう。

近隣住民への配慮

内窓リフォームでは、大掛かりな工事にはならないため、騒音などのトラブルはほとんど起きないとは思いますが、業者が出入りすること、多少の物音がすることを加味し、最低でも上下左右の部屋の住民に配慮しなければなりません。

丁寧な施工業者の場合、業者自身が挨拶回りあるいは案内文書などを作成し、各ポストへ投函してくれることもありますが、ご自身でも近隣住民へ挨拶回りをしておいて損はないでしょう。

当日の搬入経路の確認

管理組合には、内窓リフォーム当日の搬入経路の確認をきちんとしておく必要があります。

特に内窓リフォームでは、繊細な窓ガラスを取り扱うため、エレベーターを使うなとは言われないとは思いますが、住民全体で共用しているため、何かしら制約がある可能性があります。

後々トラブルにならないよう、念の為確認しておきましょう。

まとめ

マンションの内窓・二重窓リフォームは個人でできるのかについて、この記事では、マンションの管理規約や内窓リフォームの注意点を徹底解説してきました。

マンションの内窓リフォームを個人でしたいと思ったら、何よりもまずお住まいのマンションの管理規約に目を通すことが大切です。

その後、管理組合に確認及び許可をとった上で、信頼できる業者に依頼し、近隣住民に迷惑にならないように内窓リフォームの日を迎えるようにしましょう。

内窓リフォームによって、高い断熱効果や防音効果などが期待できます。より住みやすく、過ごしやすい日常生活を手に入れてください。

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