【浴室の内窓リフォームの効果とは?】浴室の内窓リフォームの注意点やおすすめの浴室用内窓まで徹底解説!

高齢化が進む日本では、浴室でのヒートショックが原因で、毎年たくさんの方が命を失っています。

特に冬場の浴室はとても気温が下がっていて、高齢でなくても浴室に行くのは勇気がいるほどではないでしょうか。

こうした状況から、近年では、浴室に内窓・二重窓リフォームを施す方が増えてきているのです。

そこでこの記事では、浴室の内窓リフォームの効果をはじめ、浴室の内窓リフォームの注意点やおすすめの浴室用内窓まで徹底解説していきます。

浴室に窓がついている理由

大抵の浴室には窓がついています。しかし、浴室に限らず、室内において最も熱の出入りが大きいと言われている窓が、どうして狭い浴室に取り付けられているのかを考えたことはありますか?

浴室に内窓・二重窓リフォームを施す前に、そもそも浴室に窓がついている理由をきちんと理解しておかなければ、リフォーム自体失敗してしまうこともあるので、注意が必要です。

ここでは浴室に窓がついている理由を3つ掘り下げていきます。

  • 太陽光を採り入れるため
  • 換気をするため
  • 圧迫感を軽減するため

太陽光を採り入れるため

浴室でシャワーを浴びたり、湯船でリラックスしたりする時間帯の多くは、夜であることから、意外に思われるかもしれませんが、浴室に窓がついている理由の1つに、太陽光を採り入れるためということが挙げられます。

ただし、太陽光を採り入れることができると、朝のシャワー時や、朝風呂の際に、浴室内が明るくなり、気分が晴れやかになるからというからといった感覚的な理由だけではありません。

浴室に太陽光を採り入れることにより、水が蒸発しやすくなるため、カビなどの発生・繁殖を予防することができるというのが、最も大きな理由と言えます。

換気をするため

太陽光を採り入れるのと同じように、浴室内の湿ってこもった空気を換気するためにも、窓は必要です。

また、日中、浴槽や浴室内を掃除する際には、洗剤などを使用することも多いはずですので、そうした面でも、窓があることは大きな意味があると言えます。

圧迫感を軽減するため

浴室は、住まいの中で、トイレの次に狭いスペースであることが多い上、シャワー中は、ドアを閉めることが基本であることから、人によっては、圧迫感を感じやすい空間の1つとなっています。

そのため、例え小さいサイズであったとしても、浴室に窓があるだけで、開放感を感じることができるのです。

窓付きの浴室が寒い理由

浴室に窓が付いている理由について、おさらいしましたが、窓がついた浴室は、特に冬の時期、寒いと感じることが多いのではないでしょうか?

そもそも、浴室に限らず、住宅の中で、最も熱の出入りが激しいと言われている部分が、開口部である窓であると言われています。時に、全体のおよそ6割ほどの熱の出入りがあるという試算が出ているほどです。

その上、浴室は、リビングや廊下、脱衣所などといった居住スペースとの間に、ドアがあるため、居住スペースをいくら暖房器具で暖めていても、浴室内まで暖められることはなく、さらに窓からの冷気が入ってきて、より寒さを感じる空間となっています。

また、浴槽にお湯を張ったとしても、浴槽からの湯気が浴室内の窓ガラスに触れることで、結果的に外の冷気に冷やされ、冷たい空気となって、浴室内の下に降り注ぐダウンドラフト現象が起きやすいという問題もあるため、窓が付いている浴室は、特段寒さを感じるのです。

そこで、浴室には、後ほど解説する内窓・二重窓の設設置をすることが推奨されているのです。

一般的な浴室の危険性

浴室に窓が付いていても、特段断熱対策を施していないような、一般的な浴室は、様々な危険性を孕んでいますが、特に寒い時期には、家の中で最も命に関わる箇所であると言っても過言ではありません。

特に、寒い冬に入浴する際、リビングや廊下、脱衣所といった暖かい居住スペースと、冷気に満ちた浴室内の温度差、そして、浴槽内のお湯の温度の高さによる、乱高下する温度差は、急激な血圧の変化をもたらすため、血管および心臓への負担が大きくなります。

あまりにも体への負担が大きい場合、時にヒートショック現象を引き起こすことがあり、浴室内でそのまま命を落とすといったことになりかねません。特に、高齢者の場合には、体にかかる負担もより大きくなるため、注意が必要です。

こうしたヒートショックを引き起こさないためには、内窓・二重窓を設置するなど、様々な対策をして、浴室内の温度と、居住スペースとの温度差を少なくする必要があります。

浴室には内窓設置がおすすめ

浴室でのヒートショックの危険性について解説しましたが、ヒートショックを予防するには、浴室内と、脱衣所や廊下、リビングなどといった居住スペースとの温度差を少なくするしかありません。

そのために、最もおすすめな方法が、内窓・二重窓を設置することです。

内窓設置とは、今ある既存の窓はそのままに、既存窓枠を生かして、内側に新しい別の窓を取り付けるということ。つまり、浴室を二重窓にすると思ってください。

室内の中でもとりわけ冷気が入りやすく、暖気が逃げやすい浴室の窓を、二重の窓でカバーすることで、浴室内の断熱効果を高めることができます。

内窓設置じゃなくても、既存の窓ガラスや窓枠ごと全てまるまる交換すれば良いのでは?と考える方もいらっしゃるかと思います。しかし、ただ窓ガラスを交換、あるいは既存の窓枠ごとまるっと交換しただけでは、内窓設置よりも低い断熱効果しか期待できません。

その上、仮に既存窓枠ごと交換しようと思ったら、窓だけでなく、周りの壁も壊すなどといった大掛かりな工事になってしまうので、費用が高くなったり、工事日数がかかったりとデメリットが多いのです。

一方で、内窓リフォームであれば、既存の窓や壁を壊すことはありませんので、基本的に数時間の施工で簡単に工事が済む上、高い断熱効果が期待できるので、非常にコストパフォーマンスが良いと言えるでしょう。

浴室の内窓リフォームの効果

ヒートショックを予防するためにおすすめな浴室の内窓・二重窓リフォームの効果は、断熱効果以外にもたくさん存在しています。

ここでは、代表的な4つの浴室の内窓リフォームの効果をピックアップして、ご紹介していきます。

  • 浴室使用中の温度低下を防ぐ
  • 浴室使用中の防音効果を高める
  • 防犯対策
  • プライバシーの保護

浴室使用中の温度低下を防ぐ

浴室において、ヒートショックを予防するため、最も温度の低下を防ぎたいのは、浴室を使用する時ですよね。

浴室の内窓リフォームを実施することで、窓から隙間風が入ってくることを防ぐことができるだけと思ってはいけません。

浴槽から立ち上った湯気が、内窓に触れても、外窓と内窓の間にある空気の層のおかげで、内窓が極端に冷えていることがなく、ダウンドラフト現象も予防することができるので、効率的に、浴室使用中の浴室内の温度低下を防ぐことが可能なのです。

ただし、内窓のサッシの気密性が高くなければ、思うような断熱効果を得られない場合があるので、樹脂製のもので、なおかつ信頼できる腕のある業者に設置依頼することをおすすめします。

浴室使用中の防音効果を高める

浴室に限った話ではありませんが、熱だけでなく、音も窓を介して伝わりやすいものの1つです。

そのため、浴室に内窓を設置することで、外からの音をある程度遮断したり、浴室使用中の音が外に漏れ出るのを抑制したりと、防音効果を高めることもできます。

特に浴槽に張ったお湯にゆっくりと浸かっている間は、リラックスしたいと思うのが当たり前ですし、シャワーなどの音が漏れることで、お風呂に入っていることを、近所の人や、通りがかりの人に知られたくないと思う方は、内窓を設置すると安心です。

ただし、断熱効果以上に、防音効果はその人によって体感が異なるため、全員が高い効果を実感できるとは限りません。

また、防音効果を得るためには、外窓と内窓のガラスが異なる仕様でないといけなかったり、外窓と内窓の間の中間層の幅をとらないといけなかったり、もちろん樹脂製のサッシに余計な隙間がなく、気密性が高くないといけなかったりと、様々な条件をクリアする必要があります。

内窓設置前に、家族全員で、どんな音を、どれくらい軽減したいのかをしっかりと話し合い、業者にも具体的に伝えることで、なるべくギャップが少なくなるように努力しましょう。

防犯対策

こちらも、浴室に限ったことではないですが、窓は、空き巣や強盗が最も侵入してくる可能性の高い部分であるため、内窓を設置し、二重構造とするだけで、大きな防犯対策となります。

人がくぐり抜けられないような小さな窓であれば、そこまで心配はいらないかもしれませんが、浴室であっても、それなりのサイズの窓ガラスであれば、侵入口の候補に十分なり得るでしょう。

内窓が付くことで、単純に鍵の数が倍、窓ガラスの数が倍になるため、見た目だけでも、空き巣や強盗犯は嫌煙するものになりますが、内窓のガラスを防犯ガラスとすることで、貫通しにくく、割れにくくなるため、より高い防犯効果が期待できます。

プライバシーの保護

浴室は、窓が曇りガラスであろうがなかろうが、小さかろうが大きかろうが、人影ができたり、浴室内の明かりが付いていたり、シャワーの音がしたりというだけで、浴室を使用しているということが、外から知られてしまいやすい箇所です。

そのため、内窓を付けて、防音対策や、曇りガラスでの目隠し効果を高めれば、通常時よりも、プライバシーを保護することができるでしょう。

浴室の内窓リフォームの注意点

浴室の内窓・二重窓リフォームの効果には、様々なものがあることをご理解いただけたかと思いますが、良い効果ばかり期待して、内窓リフォームに臨んでしまうと、後に後悔の念にかられてしまうこともあります。

そこでここでは、浴室の内窓リフォームの注意点について、3つご紹介しますので、事前に必ずチェックしておいてください。

  • 結露やカビの完全な対策にはならない
  • 使用中以外の温度低下は防げない
  • 複数社に相見積もりをとる

結露やカビの完全な対策にはならない

一般的に、内窓を取り付けることで、結露対策になると言われていることから、浴室の内窓リフォームでも、結露やカビ対策になると思っている方が多くいらっしゃいます。

しかし、この記事で取り上げた、浴室の内窓リフォームの効果をお読みいただくとわかる通り、浴室においては、居住スペースと異なり、水分や湿気が多いため、内窓リフォームが結露対策やカビ対策になるということではないことを、覚えておきましょう。

そもそも、居住スペースでの内窓リフォームであったとしても、冬の寒さが厳しい寒冷地の場合、外と室内の温度差が激しすぎて、結露対策が思うようにいかないことがしばしばあるほどです。

そのため、浴室の内窓リフォームでは、過度に結露やカビ対策の効果を求めないようにしてください。

使用中以外の温度低下は防げない

浴室の床がしっかりと断熱対策されているということでもない限り、浴室に内窓を設置したとしても、使用していない時の浴室の温度低下は防げません。

なぜなら、基本的に、浴室を使用していない時には、浴室のドアや、浴室に直結している脱衣所のドアなどが閉まっていて、居住スペースの暖房で暖められた空気が、浴室まで届かないためです。

もちろん、内窓を設置すれば、浴室使用中は、浴槽に張ったお湯の熱気で、浴室内の温度が上がり、ある程度の暖かさを保つことができますよ。

複数社に相見積もりをとる

浴室に限らず、内窓リフォームをしようと思ったら、必ず複数社、それも2〜3社程度に相見積もりをとるようにしましょう。

今や様々な業者がひしめき合い、インターネットには情報が溢れていますが、どこも推してくるのは安さです。

しかし、安さだけで依頼する業者を決めてしまっては、非常に危険ですので、やめてください。複数社から相見積もりを取り、費用感の相場を見つつ、担当者の対応の良し悪し、施工スケジュール、アフターフォローの内容など、様々な面から吟味しなければ、本当に信頼できる業者かどうかは判断がつかないのです。

もちろん、安くても良い業者はたくさん存在しています。そうした業者は、製品をメーカーから直で仕入れるルートを確立していたり、下請け業者を間に入れずに、全て自社で一貫して対応していたりと、安さの理由が明確になっているはず。

逆に、なぜ安いのかがわからないような怪しい業者に依頼してしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれてしまう可能性もあるので、注意するようにしましょう。

おすすめの浴室用内窓

では最後に、おすすめの浴室用の内窓・二重窓をご紹介します。

LIXIL インプラス浴室仕様

LIXIL インプラス浴室仕様は、熱の伝導率が低い、樹脂製のサッシを採用している浴室に特化した内窓です。高い断熱効果により、急激な温度変化による、ヒートショックを予防するだけではありません。

ブラインド内蔵タイプという、複層ガラスの間にブラインドを密閉したタイプを選べば、ブラインド自体の羽の汚れや、折れ曲がりを心配することなく、外からの視線を遮断し、プライバシーを守ることができるのです。

また、太陽光を採り込みつつも、目隠しとなるガラスの種類も豊富です。フロストガラス、安全合わせガラス乳白タイプ、強化ガラス(ミスト柄)の中から、お好みの曇り具合のガラスを選ぶことができますよ。

まとめ

浴室の内窓・二重窓リフォームの効果について、この記事では、浴室の内窓リフォームの注意点やおすすめの浴室用内窓まで徹底解説してきました。

内窓リフォームを考えた際に、浴室を真っ先に対象として考える方は多くないと思いますが、特に高齢者のいるご家庭では、ヒートショックを防ぐため、最も断熱対策すべきは浴室と言っても過言ではありません。

もちろん、浴室だけでなく、リビングやキッチン、玄関ドアなど、お住まいのあらゆる開口部に内窓を設置するなどといった断熱リフォームをすることで、とても快適な暮らしが実現できます。

条件によっては、国や地方自治体による補助金制度を活用することもできるので、ぜひ次の冬までに浴室の内窓リフォームを行ってみてはいかがでしょうか。

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