【トリプルガラスとペアガラスと内窓の違いは?】それぞれのメリットやデメリットなども徹底解説!

三層となっているトリプルガラスは、二層のペアガラスよりも層が多いことで、様々なメリットがあり、近年人気が高くなってきています。

一方で、ペアガラスの既存窓に内窓・二重窓を設置する方が、トリプルガラスよりも高い効果が得られるのではないかと悩み、トリプルガラスにするか、ペアガラスと内窓にするか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、トリプルガラスとペアガラスと内窓の違いをはじめ、それぞれのメリットやデメリットなども徹底解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

トリプルガラスとは

トリプルガラスとは、その名の通り3枚のガラスと、その間の2つの空気の層によって構成されているガラスのことです。

後述するペアガラスよりも単純に1枚ガラスが増え、1層の空気層が増えることになるため、より高い断熱効果を持つと言われています。

ちなみに空気の層には、アルゴンガスあるいはクリプトンガスなどが採用されており、アルゴンガスは高温高圧の環境下においても化学反応を起こさない、クリプトンガスであれば、熱伝導率が低いという特徴を持ちます。

トリプルガラスは、近年日本の住宅で人気が高まってきた比較的新しい印象のガラスですが、実は寒さの厳しい北ヨーロッパの住宅において、古くから普及してきた歴史があります。

冒頭でも述べましたが、近年では、内窓・二重窓を設置するのか、それともトリプルガラスを設置するのかを迷う方が増えてきています。

ペアガラスとは

ペアガラスは、元々AGC株式会社が商標登録している名称でありながら、ペアガラスが普及したことで、複層ガラスを示す際の一般名詞になりつつあります。

トリプルガラスとは異なり、2枚のガラスと、1層の空気の層で構成されています。この空気の層には、スペーサーという乾燥剤が入った金属部材が挟まっており、乾燥した空気が封入されているため、後述する単板ガラスよりも高い断熱効果があると言われています。

板硝子協会によると、日本における2021年の新築一戸建住宅においては、97.6%もの住宅に普及しており、もはや日本の一般的なガラスになりつつあるガラスと言っても過言ではありません。

ちなみに内窓・二重窓とペアガラスは混同されがちですが、別物ですので、注意が必要です。

参考URL:http://www.itakyo.or.jp/upload/ecoglass_penetration_2022.pdf

​内窓とは

先ほども述べた通り、内窓・二重窓は、時にペアガラスや複層ガラスと混同されてしまうことが多いのですが、全く違います。

内窓というのは、既存の窓はそのままに、既存窓枠の内側に別の窓を設置することを言い、つまり二重窓を示す言葉です。

既存の窓が単板ガラスであろうが、ペアガラスであろうが、内側に別の窓を取り付けることで、内窓があるということになります。

内窓は、断熱効果などを高めるために、既存住宅で後付けされることが多いですが、比較的安価かつ簡単な工事で取り付けることができるため、非常に人気の高いリフォームの1つです。

場合によっては、取り付け時に、国や地方自治体の補助金制度を活用することもできるという特徴もあります。

トリプルガラスとペアガラスと内窓の違い

それぞれの特徴からすでにお分かりかもしれませんが、まず根本的に、トリプルガラスとペアガラスは、ガラスそのものの種類のことであり、内窓・二重窓は窓を二重に取り付けることを示しているので、大きく異なります。

トリプルガラスとペアガラスの違いは、1枚のガラスと1層の空気層があるかないかで、あまり大きな差はないのではと思われがちですが、この1枚のガラスと1層の空気層の有無により、断熱効果などには大きな差が生まれます。

トリプルガラスあるいは内窓の設置の違いとしては、鍵の開閉や掃除が手間になるなどと言った生活のしやすさや、取り付け時のコストなどが挙げられるでしょう。

トリプルガラスのメリット

トリプルガラス、ペアガラス、内窓・二重窓のそれぞれの特徴や違いなどを大まかに理解したところで、トリプルガラスの5つのメリットを見ていきましょう。

  • 断熱性が高い
  • 節約できる
  • 結露が発生しにくい
  • 防音効果が高い
  • 防犯性が高い

断熱性が高い

トリプルガラスはなんと言っても、とにかく断熱性が高いことが最大の特徴です。

すでに何度か述べている通り、一般的に普及しているペアガラスと比べて、ガラスと空気の層が多いため、外の気温が室内に伝わりにくく、室内の気温が外に逃げにくいことで、室内温度を快適に保つことができます。

夏であれば室内を涼しく、冬であれば室内を暖かく効率的に保つことにより、ストレスフリーで過ごしやすくなるでしょう。

節約できる

断熱効果が低い室内の場合、夏にはエアコンを付けていてもなかなか室温が下がらなかったり、冬にはストーブなどを付けていてもなんだか肌寒かったりして、どんどん設定温度などを上げてしまいがちです。

しかし、前述の通り、トリプルガラスは非常に高い断熱効果をもたらしてくれるため、エアコンやクーラー、扇風機、ストーブ、床暖房などといった冷暖房器具の稼働を最低限度に抑えることができます。

つまり、結果的に光熱費の節約に繋がるだけでなく、省エネになり、環境にも優しい住まいとなるのです。

結露が発生しにくい

結露は、外の冷たい空気に、室内の暖かい空気が窓ガラスを介して、急速に冷却されることで生じる現象です。

特に単板ガラスの場合には、熱伝導率が高いため、結露が多く発生してしまい、掃除やカビなどに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

一方でトリプルガラスであれば、3枚のガラスと2層の空気の層により、室内の暖かい空気が外の空気に冷やされにくく、結露が起こりにくいと言われています。

お子様が小さなご家庭の場合、カビによってアレルギー反応が引き起こされることもあるので、トリプルガラスにしておくと安心できるかもしれません。

ただし、日本においても寒冷地域とされる冬の寒さが厳しい地域の場合には、どうしても外気温が低すぎて、トリプルガラスでも結露まで思うように防げないことがあるので、注意が必要です。

防音効果が高い

トリプルガラスは、単板ガラスやペアガラスと比較して、防音効果が高いと言われています。

外から聞こえてくる電車、車、バイクの走行音をはじめ、犬などの鳴き声、人の話し声や、公園から聞こえてくる子どもたちの騒ぐ声などといった騒音が心配、あるいは騒音に悩んでいる方は、トリプルガラスにすると騒音を気にしない生活ができるでしょう。

もちろん、自宅から出る様々な生活音が外に漏れ出ることも防いでくれます。

防犯性が高い

トリプルガラスは3枚のガラスで構成されているため、窓自体の強度が高くなっています。窓を割るのも一苦労で、割るまでに時間がかかる上、力も入れないといけないため、仮に侵入を試みる輩がいたとしても、侵入自体を諦める要因になります。

トリプルガラスのデメリット

トリプルガラスには様々なメリットがありますが、内窓・二重窓の設置と比較するためにも、次の4つのようなデメリットがあることも覚えておいてください。

  • 価格が高い
  • 重い
  • 寿命がある
  • 窓枠に制限がある

価格が高い

単純に考えても想像がつきやすいことですが、3枚のガラスが組み合わさったトリプルガラスは、ガラス自体の価格が高い傾向にあります。

新築住宅に設置するならばまだしも、既存の単板ガラスやペアガラスをトリプルガラスに変更する際には、既存の窓枠が使えないことが多く、総取替えになるため、より高い出費となってしまうのがネックです。

しかし、メリットで述べた通り、設置費用は高くても、長い目で見ると光熱費の節約になるため、その場限りではなく、今後どれくらい同じ住宅に住み続ける予定があるのかなどを考慮して、設置を検討すると良いでしょう。

重い

最近のトリプルガラスは、窓の開閉がしやすいように取手などに工夫がされていることが多いとはいえ、単板ガラスやペアガラスと比べると、単純にガラスの枚数が多くなるため、重いというデメリットがあります。

力のあまりないシニア世代や、女性、お子様などは少し重さを感じてしまうかもしれません。

寿命がある

トリプルガラスの2つの空気の層には、アルゴンガスあるいはクリプトンガスなどが封入されているとお伝えしましたが、経年劣化により、少しずつガスが抜けていってしまいます。

ガスが抜けることにより、断熱効果などの性能が下がってしまうため、いずれは交換することを視野に入れる必要があります。

ちなみに、寿命の目安としては、10〜30年ほどと言われていることを覚えておいてください。

窓枠に制限がある

トリプルガラスは3枚のガラスによって構成されているため、その分厚みが増し、特殊な窓枠でなければ取り付けできません。

つまり、既存の住宅で、単板ガラスやペアガラスをトリプルガラスに交換したいと思っても、ガラスのみの交換では済まず、窓枠ごと全て取り替えなければならないということです。

そのため、リフォームとしてはとても大掛かりになってしまうというデメリットがあります。

ペアガラスの既存窓に内窓を設置するメリット

トリプルガラスには良い点も悪い点もあることがわかったように、ペアガラスの既存窓に内窓・二重窓を設置する際にもメリットとデメリットがあります。

ここでは、ペアガラスの既存窓に内窓を設置する際のメリットを9つご紹介していきます。

  • 既存窓枠を生かして簡単に内窓を設置できる
  • 断熱効果
  • 遮熱効果
  • 節約できる
  • 防音効果
  • 結露対策
  • 防犯対策
  • 災害対策
  • 部屋の雰囲気を変えられる

既存窓枠を生かして簡単に内窓を設置できる

ペアガラスをトリプルガラスに取り替えるのとは異なり、ペアガラスの既存窓枠をそのまま生かして、内側に内窓を取り付けることができるため、非常に簡単な作業となります。

そのため、工事の時間もかからず、比較的安価なリフォームとなるため、予算内で複数の窓に内窓を取り付けることもできるでしょう。

断熱効果

内窓の多くは、アルミではなく、熱伝導率の低い樹脂製のサッシを採用しているうえ、ペアガラスの他に別途ガラス窓が付くため、内窓を設置するだけで、高い断熱効果を得ることができます。

遮熱効果

内窓のガラスを遮熱効果の高いガラスにすれば、夏の強い日差しであっても、熱を遮断してくれる効果を得ることができます。

太陽光を取り入れながら、紫外線や熱をカットできるので、室内温度が快適に保たれるだけでなく、肌や布製品などの日焼けも防止できます。

節約できる

断熱効果や遮熱効果を得ることによって、冷暖房器具の稼働を最小限に抑えることができます。

内窓を設置する際には、ある程度の費用がかかるとはいえ、長い目で見れば、右肩上がりの光熱費を節約することができるので、非常におすすめです。

防音効果

外からの騒音に悩まされている方、小さなお子様の泣き声や、飼っているペットの鳴き声、楽器の音などが外に漏れていないか心配な方は、内窓を設置することで、防音効果を得ることもできます。

ただし、内窓設置により、高い防音効果を得たい場合には、様々な面から防音効果を高めるための施策を施す必要があるので、技術と経験のある業者に依頼することをおすすめします。

結露対策

結露に悩まされているという方も、内窓を設置すれば、結露対策になる場合があります。

ただし、あまりにも寒い地域にお住まいの場合には、内窓を設置したところで、結露が発生してしまうことがあるので、業者に依頼する前に、確認しておくと良いでしょう。

防犯対策

内窓を設置することで、外から見ても、単純に窓ガラスと鍵が倍になるため、見た目から防犯対策になります。

さらに、防犯ガラスの内窓を設置すれば、万が一窓ガラスを破壊されそうになっても、貫通しにくく、割れにくいため、窓を壊すだけで時間がかかり、犯人が侵入を試みるきっかけになるはずです。

災害対策

防犯対策として、防犯ガラスの内窓を設置すると、地震や台風などといった災害の対策にもなります。

防犯ガラスは、2枚のガラスの間にフィルムが貼られており、もしヒビが入ったりしても、フィルムにくっついて飛び散りにくいため、ガラスの破片で怪我をするというようなこと自体を防ぐことに繋がるのです。

部屋の雰囲気を変えられる

内窓のサッシの色や素材には様々なものがあり、部屋の雰囲気を変えるきっかけにもなります。

木星を選ばなくても、見た目から木の温もりを感じることができる、木調カラーの人気が高いです。

ペアガラスの既存窓に内窓を設置するデメリット

続いて、ペアガラスの既存窓に内窓・二重窓を設置する際のデメリットを3つご紹介しておきます。

  • 取り付け不可な窓がある
  • 窓の開閉が億劫になる
  • 掃除が億劫になる

取り付け不可な窓がある

コストが安く、工事の時間もかからないことから、内窓を設置したいと思っても、既存窓の仕様により、開け閉めの際などに、内窓に干渉してしまうなどといった場合、そもそも内窓の設置ができないという場合があります。

また、既存窓枠の奥行きが足りない場合には、ふかし枠を付けた上で内窓を取り付けることになりますが、このふかし枠自体取り付けることができない奥行きの場合には、内窓の設置ができないので、注意が必要です。

窓の開閉が億劫になる

内窓を設置することで、窓を開けて外の空気を取り込みたいと思っても、2回鍵を開け閉めしなければならず、意外と億劫に感じることがあります。

特に開閉の頻繁な窓の場合には、ストレスになるかもしれません。

掃除が億劫になる

窓の掃除自体そもそも億劫に感じるものなのに、1箇所に2つの窓があることで、単純に倍の作業が必要になり、とても手間と感じてしまいます。

しかも、既存窓と内窓の間は狭く、掃除自体しにくいため、ストレスに感じる方もいるでしょう。

トリプルガラスとペアガラスの既存窓に内窓を設置するのはどちらがおすすめ?

仮に内窓・二重窓を付ける予定がなく、これから新築住宅を建設するというのであれば、確実にトリプルガラスを選んだほうが、高い断熱効果などを得ることができるのでおすすめです。

一方で、既存住宅でペアガラスの窓が付いている場合には、トリプルガラスに取り替えるよりも、内窓を設置したほうがコストが安いことがあり、一概にトリプルガラスにすることでたくさんのメリットを得られるとは限らないというのが現状です。

いずれにせよ、ただペアガラスの窓が付いている部屋よりも、トリプルガラスあるいは内窓が付いている部屋の方が、断熱効果などといった多くのメリットを得ることができるのは明白です。

コスト面や生活のしやすさなど、様々な観点から、納得のいく方を選びましょう。

まとめ

トリプルガラスとペアガラスと内窓・二重窓の違いについて、この記事では、それぞれのメリットやデメリットなどもあわせて徹底解説してきました。

トリプルガラスにも内窓設置にも、それぞれ良い点も悪い点もあります。

一概にどちらが良いということではないので、費用対効果をはじめ、得られる効果、生活のしやすさなど、色々な面から精査し、後悔しないようにしてくださいね。

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