【室内から最も熱が出ている箇所とは?】防寒対策に最適な内窓設置について徹底解説!

冬の寒い時期、しっかり着込んで、エアコンやストーブをしっかり稼働させているのに、全然部屋が暖かくならず、寒いといった悩みがある方も多いのではないでしょうか。

防寒対策を色々と講じても、結局部屋自体が暖まらなければ、意味がないですよね。

そもそも、家の中が暖まらないということは、断熱対策にまだ改善の余地があるということです。

そこでこの記事では、室内から最も熱が出ている箇所についてフォーカスし、最適な防寒対策である内窓・二重窓設置を徹底解説していきます。

室内の熱の逃げ道

まずはじめに、室内において、熱が逃げてしまっている箇所はどこであるかを、今一度確認しておきます。

室内の熱の逃げ道としては、次の6つが挙げられるでしょう。

  • 玄関
  • 天井
  • 換気口

玄関

玄関は言わずもがな、人の出入りを前提としているため、ドアがついており、開閉するたびに、室内の空気が外へ、外の空気が室内へ流れ込む箇所となっています。

もちろん、ドアを閉めていれば、空気の流れを止めることができますが、どうしても玄関周辺は、寒さを感じやすい箇所であるのは間違いありません。

近年建てられた家であれば、壁から直接熱の出入りを感じることは基本的にはないはずですが、古い家だと、壁が薄かったり、断熱材がしっかりと入っていなかったりと、意外と壁から暖かい空気が外に逃げてしまいやすいことがあります。

床も壁と同様、比較的新しい家であれば、床から寒さを感じることはあまりないはずですが、古い家だと、床下には断熱材自体入っていないなどといったことがあり、その場合、とても足元が冷え込む印象です。

天井

意外と盲点かもしれませんが、暖かい空気は上に溜まる性質を持つため、天井もしっかりとした断熱対策がされていないと、熱が逃げていく道となってしまうことを覚えておきましょう。

換気口

当たり前ですが、換気のための換気口は、室内の空気を外に出し、外の空気を取り入れるために設置されているので、寒い空気が入ってきやすい無防備な箇所となります。

しかし、基本的には、大きな開口口ではないはずなので、実は家が暖まらないという大きな原因ではありません。

窓は壁と比較して薄く、断熱材を入れることができないため、どうしても熱の出入りが大きな箇所となっています。

特に大きな窓であればあるほど、ガラス面やサッシの隙間から、外の冷えた空気が入り込みやすい上、逆に部屋の暖かい空気が逃げやすい傾向にあります。

そのため、内窓・二重窓を設置すると良いと言われているのです。

室内から最も熱が出ている箇所

室内からの熱の逃げ道についておさらいしましたが、結論から言うと、室内から最も熱が出ている箇所は、窓です。

もちろん玄関や床など、他の箇所からも熱が逃げているとはいえ、窓から逃げる熱は、全体のおよそ48%を占めるとまで言われています。

逆にいえば、内窓・二重窓を設置するなどといった窓の断熱対策をしっかりと講じることで、室内全体の防寒対策につながると言うことなのです。

窓の断熱リフォームの方法

窓から最も熱が逃げていることがわかったところで、窓の断熱リフォームの方法を4つご紹介していきます。

  • 窓枠ごと窓を交換
  • ガラスのみ交換
  • 既存の窓枠の上に新しい窓枠を被せる
  • 内窓設置

窓枠ごと窓を交換

既存の窓を、窓枠ごとごっそり断熱効果の高い窓に交換するという方法は、一見簡単そうに感じるかもしれません。

しかし、実際には、壁をくり抜くなどといった大掛かりな工事になる場合が多く、結果的に費用負担が大きくなるというデメリットがあります。

さらに、後述する内窓設置よりも、高い断熱効果を感じることはあまりなく、費用対効果があまり高くない手段であるため、おすすめはできません。

ガラスのみ交換

既存窓のガラスのみを、厚みがあって断熱効果の高いガラスに交換するという手段もあります。

こちらは、工事というより、ただただ窓ガラスを交換するだけなので、あまり施工料金はかからず、製品代がメインとなります。

そのため、費用がかからず、簡単にリフォームできそうと思ってしまいますが、窓の断熱効果の高さは、窓ガラスの性能よりも、サッシの素材や性能の高さに比例するので、窓ガラスのみ交換しても、大した防寒対策にはならないということを覚えておいてください。

既存の窓枠の上に新しい窓枠を被せる

既存の窓枠の上に、新しい窓枠を被せるという工法、いわゆるカバー工法は、近年普及してきた新しい技術です。

後述する内窓設置では、窓が増えることにより、出入りや開閉が億劫となるデメリットがありますが、カバー工法では、今までの生活様式を変えずに、窓の断熱効果を高めることができます。

しかし、新しい窓の枠が上から被さることで、窓ガラスの面積が小さくなり、部屋に太陽光を採り入れにくくなる上、圧迫感を感じやすいなどというデメリットがあることを、覚えておきましょう。

内窓設置

既存の窓の内側に、別の新しい窓を設置し、内窓・二重窓を取り付ける方法は、最も断熱効果の高いリフォーム方法であると言っても過言ではありません。

単純に考えて、窓が2つになるため、室内の熱が逃げにくく、外からの冷気が室内に入りにくいという効果が期待できます。

基本的には、既存の窓をそのまま生かしての施工となるので、コストを抑えつつ、短い時間で簡単に取り付けが完了するというのも嬉しいポイントです。

断熱リフォームには内窓設置が最適

4つの窓の断熱リフォーム方法をご紹介しましたが、断熱リフォームには、低コストかつ高い断熱効果が期待できる内窓・二重窓設置が最適といえます。

特に、高い断熱効果を求める場合、内窓のサッシは樹脂製のもので、余計な隙間がないものを選ぶと、より効果を実感できるでしょう。

また、内窓リフォームの場合、国や地方自治体による補助金制度を活用できる場合もあるので、お得に性能の高い内窓を設置することもできるかもしれません。

内窓を設置し防寒対策することで節電にもなる

断熱効果の高い内窓を設置し、冬の防寒対策をすることは、同時に夏の暑さ対策になる上、結果的に節電にもなることをご存知でしたか?

例えば、人気の高いLXILのインプラスという内窓で、遮熱高断熱複層ガラスのものを設置した場合、冬には室内の熱のおよそ70%を窓から外に逃げるのを防止し、暖房のおよそ20%の節電を実現します。

さらに、夏には窓からの日射熱をおよそ58%カットすることができるため、エアコンの消費電力をおよそ6%抑えることに繋がります。

光熱費が高騰し続けている昨今では、内窓設置で、効率良く室内温度を一定に保つことが、最も効率的な節電対策になると言っても良いでしょう。

他にもある!内窓設置のメリット

内窓・二重窓設置では、高い断熱効果を得られることをご紹介してきましたが、実は他にも様々なメリットがあるので、本当におすすめです。

ここでは、代表的な5つのメリットをご紹介していきます。

  • 遮熱効果
  • 防音効果
  • 防犯効果
  • 結露対策
  • 見た目の模様替え

遮熱効果

ガラスの種類によっては、遮熱効果の高いものもあります。遮熱効果の高いものであれば、真夏の暑い太陽の日差しであっても、熱をカットしてくれます。

そのため、夏の日中に、暑さ対策でカーテンを閉める必要がなくなり、太陽光を採り入れながら、部屋の明るさを保つことができるのです。

防音効果

既存窓とは異なる種類のガラスの内窓を取り付けたり、既存窓と内窓の間の中間層の幅をしっかりと取ったり、内窓のサッシが樹脂製のものなおかつ余計な隙間がないものを選んだりすれば、断熱効果と同時に、高い防音効果を得ることも可能です。

外からの騒音に悩まされている方、あるいは室内で飼っているペットなどの鳴き声が、外に漏れているのではと不安になっている方は、防音対策として、内窓設置を検討してみるのもおすすめですよ。

防犯効果

空き巣などの犯罪は、窓からの侵入が多いと言われています。いくら1枚の窓のガラスを破壊されにくいものにしていたとして、二重ロック仕様にしていたとしても、犯人からしたら、1枚の窓をどうにかすれば侵入できるため、正直、大きな防犯効果はありません。

しかし、内窓を設置すると、単純に窓が2枚になることから、進入までに2枚の窓をどうにかしなければならないため、視覚的に大きなハードルとなり、見た目だけで高い防犯効果が期待できるのです。

結露対策

外の寒い空気に、室内の暖かい空気が急激に冷やされることで生じる結露は、内窓を設置することで、対策できる場合があります。

もちろん、北海道や東北などといった、寒冷地域ではあまり意味がない場合もありますが、内窓設置の際には、一度施工業者に相談してみると良いでしょう。

見た目の模様替え

内窓リフォームは、様々な効果を求めて行うことが多いですが、サッシのカラーバリエーションが意外と豊富で、見た目の雰囲気にもこだわることができます。

最近では、温もりを感じるような木目調カラーのものも存在しているので、内窓リフォームと同時に、部屋の模様替えをしても気分が変わるかもしれません。

また、和室の雰囲気に合う、和紙でできた障子風のガラスを用いた内窓も登場しているので、寒くなりやすい和室の内窓設置も、前向きに検討してみてください。

内窓設置のデメリットも押さえておこう

内窓・二重窓設置には、断熱効果だけでなく、様々なメリットがあるとお伝えしてきましたが、もちろん多少のデメリットもあることは忘れてはいけません。

後で後悔しないよう、次の代表的な3つのメリットを確認しておきましょう。

  • そもそも設置できない場合がある
  • 出入りが面倒になる
  • 開閉が面倒になる
  • 掃除に手間がかかる
  • 圧迫感を感じることがある

そもそも設置できない場合がある

せっかく内窓を設置したいと思っても、天窓をはじめ、上げ下げ窓や内倒し窓といった、内窓に干渉するような窓などには、内窓を設置できない場合があります。

また、内窓設置ができる窓であったとしても、内窓を設置できるだけの既存の窓枠の余分なスペースがない場合、別途ふかし枠という枠を取り付けなければならいことがあり、その分、費用がかかったり、部屋が多少狭くなったりする可能性があるので、注意が必要です。

出入りが面倒になる

もともとベランダに面している窓や、キッチンの勝手口など、外との出入りが頻繁な窓(開口部)に、内窓を設置する場合、当たり前ですが、出入りが非常に億劫になってしまいます。

せっかく手軽に外と室内を出入りできていたのにと、後悔することもありますので、内窓を設置する際には、設置後の生活を想像して、納得してからが安心です。

開閉が面倒になる

出入りが面倒になるのと同じように、換気などで頻繁に開閉を行う窓に内窓を設置してしまうと、窓を開けて、換気するのに、1度で2つの窓を開閉しなければならなくなるため、意外とストレスになる場合があります。

あまりにも開閉が頻繁な窓への内窓設置は、慎重になる必要があるでしょう。

掃除に手間がかかる

1つの窓でさえ、サッシの掃除には手間がかかるのに、内窓が増えることで、さらにその手間が倍増するのは想像に難くありません。

その上、既存窓と内窓の間のスペースによっては、手が入りにくく、埃が溜まりやすくなる可能性もあることを覚えておいてください。

圧迫感を感じることがある

たかが数cm程度とはいえ、既存の窓枠の内側に、別の窓が1つ増えるだけで、意外と圧迫感を感じることがあることも忘れてはいけません。

また、場合によっては、カーテンレールの位置を手前に取り付け直す必要があることがあり、そうした時には、カーテンも内側に移動することになるため、より圧迫感を感じるでしょう。

防寒対策には内窓設置と床の断熱リフォームのセットがおすすめ

内窓・二重窓リフォームだけでも、部屋の断熱効果をしっかりと感じることができるはずですが、特に建築から年月が経っていて、床の断熱性能が低い家の場合、内窓リフォームを行うことで、より床からの寒さを感じることになることがしばしばあります。

そのため、より精度の高い防寒対策には、内窓設置と床の断熱リフォームをセットで行うことをおすすめします。

ではなぜ、床の断熱リフォームと内窓設置がセットだと良いのか、次の2つの理由を見ていきましょう。

  • 床は断熱が不十分な場合がある
  • 床は内窓設置と同じく既存のものを壊さずにリフォームできる

床は断熱が不十分な場合がある

床というのは意外と盲点で、壁とは異なり、特に古い家では断熱材すら入っていないということも珍しくありません。

暖かい空気は上に、冷たい空気は下に流れるため、断熱材がない床であれば、足元がものすごく冷たいという事象に悩まされているはずです。

また、過去の断熱基準の断熱材しか入っていないという場合もあります。この場合には、現在と基準が違いすぎて、寒く感じるでしょう。

そして、長い年月が経ち、断熱材が経年劣化することで、隙間が生まれ、冷気が入りやすくなっていることもあり得ます。

床は内窓設置と同じく既存のものを壊さずにリフォームできる

床の断熱性能が高くない場合、内窓とセットでリフォームすることをおすすめしている大きな理由が、内窓が既存窓を壊すことなく、単純にサッシとガラスを追加して施工するのと同じように、床も既存のものを壊すことなく、リフォームできる箇所であるためです。

もし仮に、古い家で床に断熱材がそもそも入っていないなら、単純に断熱材を追加設置するだけで施工が完了します。

つまり、内窓設置と床の断熱リフォームは、非常に相性が良いのです。

まとめ

内窓・二重窓による防寒対策について、この記事では、室内から最も熱が出ている窓にフォーカスし、最適な防寒対策を徹底解説してきました。

室内から熱が最も逃げやすい窓には、内窓を設置するだけで、高い断熱効果が期待できるようになります。

内窓設置と床の断熱リフォームをセットで行うことで、より高い防寒対策になり、結果的に節電、節約になるため、将来的な出費が少なくなるはずです。

エコでコストパフォーマンスが良い上、様々なメリットが目白押しの内窓リフォームをぜひ検討してみてください。

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