内窓・二重窓リフォームをしたけど、実際には大した効果がなかったと証言している口コミが世の中には溢れています。
これから内窓リフォームを考えている方は、そうした口コミを目にするたびに、内窓リフォームには意味がないのでは?費用対効果が低いのでは?と疑心暗鬼になっているかもしれませんね。
しかし、内窓リフォームに全く効果がないということはないので安心してください。ただし、事前に失敗や後悔をしないために、内窓リフォームにはデメリットがあることなどを理解した上で、慎重に製品や事業者を選ぶ必要があります。
そこでこの記事では、内窓リフォームの失敗例や内窓リフォームに失敗・後悔しない方法をご紹介していきます。
内窓リフォームとは

そもそも内窓・二重窓リフォームとは、既存の窓の枠を生かし、既存窓の内側に別の新しい窓を取り付けるリフォームのことです。
既存窓を取り替えたり、壊したり、壁を壊したりという必要がないため、非常にスピーディーに、簡単にリフォームができます。
内窓リフォームの方法

内窓・二重窓リフォームの方法としては、次の2つの方法が挙げられます。
- 業者に依頼
- DIYする
業者に依頼
最もポピュラーな方法は、メーカーの既製品を業者に設置してもらうということです。費用はそれなりにかかりますが、それでも施工自体は簡単なものなので、大掛かりな他の部分のリフォームよりも安く済ますことができます。
また、条件によっては、国や地方自治体による補助金制度も活用できるので、より費用負担を軽減することも可能です。
DIYする
とにかく安く済ませたい方、そこまで高い効果を求めていない方であれば、DIYするというのも1つの手段です。
ホームセンターや100円均一、インターネット通販などで、内窓DIYに必要な材料は揃いますし、近年ではキットも登場しているので、窓枠のサイズに合えば、活用することもできるでしょう。
内窓リフォームのメリット

内窓・二重窓リフォームを検討している方が増えている背景には、次のようなメリットがあるからと思われます。
- 断熱効果
- 遮熱効果
- 防音効果
- 結露対策
- 防犯対策
- 災害対策
断熱効果
家の中で、最も熱が逃げ、冷気が入り込んでくる箇所は、窓であると言われているので、内窓リフォームにより、既存窓の内側にもう1つ窓を設置することで、断熱効果を高めることができます。
より高い断熱効果を求めるという場合には、ガラスの性能はもちろん、とにかく隙間がないようにすることにつきるので、業者ともしっかりと話し合っておくことが大切です。
遮熱効果
夏の時期には、外の暑さが室内にも伝わってきて、なかなか冷房が効かないということがあるかもしれません。
内窓の中には、遮熱効果を持つガラスも存在しています。遮熱効果があれば、太陽光を採り入れつつも、紫外線や熱をカットしてくれるので、夏も過ごしやすい室温に保てるのです。
防音効果
内窓リフォームすれば、外から聞こえてくる様々な騒音を軽減したり、自宅のペットの鳴き声を軽減して外に漏れないようにしたりすることも可能です。
ただし、様々な条件が揃わないと、高い防音効果を得ることができず、思うようにいかなかったと後悔しやすい繊細な効果であることを覚えておいてください。
しっかりとした防音効果を得るためには、既存窓とは異なるガラスの内窓を設置しつつ、既存窓と内窓の間、いわゆる中間層の幅をある程度とらなくてはいけません。
さらに、サッシには隙間が生まれないように、気密性を高く保つ必要があるので、知見と経験のある専門業者としっかりと事前に打ち合わせし、どんな音をどれくらい軽減したいのかというすり合わせをきちんとしましょう。
結露対策
窓を介して、室内の暖かい空気が外の冷気に急激に冷やされることで発生する結露も、内窓リフォームによって、対策することが可能です。
なお、寒冷地域などでは、思うような効果が期待できない場合もあるので、注意してください。
防犯対策
内窓リフォームするだけで、大きな防犯対策になると言われています。多くの空き巣や強盗の犯人は、窓から侵入を試みますが、侵入口に2枚もガラスがあれば、躊躇するからです。
もちろん施錠も2重になる上、防犯ガラスであればバールなどで破壊を試みても割れたり貫通したりしにくくなるので、見た目だけでなく、実際に防犯対策になりますよ。
災害対策
防犯ガラスを採用している内窓を選べば、防犯だけでなく、災害の対策になります。
防犯ガラスは、2枚のガラスの間に特殊フィルムが入っているという構造のため、貫通しにくく、割れにくく、万が一割れたとしても、ガラスの破片が飛び散りにくいというメリットがあります。
そのため、台風や突風で物が飛んできて、ガラスに直撃したり、地震でガラスに大きな衝撃が加わったりしても、ガラスが飛び散らず、怪我をするリスクが減少するのです。
見た目の雰囲気が変わる
既製の内窓の枠は、様々なカラーから選ぶことができますし、木製の枠も存在しているので、部屋の雰囲気を変えることもできます。
DIYであれば、好きなカラーにペイントするなど、既製品にはない個性を出すことができるというメリットがあるでしょう。
また、障子風の内窓も存在しているので、和室の障子を雰囲気そのままに内窓設置することもできますし、洋室に障子風の内窓を設置すれば、和モダンな雰囲気を演出できるので、おすすめです。
内窓リフォームのデメリット

内窓・二重窓リフォームには、様々なメリットがあることをご紹介しましたが、全くデメリットがないというわけではありません。
しっかりと次のようなデメリットがあることも理解しておきましょう。
- 内窓設置不可な窓がある
- 賃貸住宅では内窓リフォームができない場合がある
- マンションでは内窓リフォームができない場合がある
- 掃除の手間が倍になる
- 窓の開閉が倍になる
内窓設置不可な窓がある
根本的な話になりますが、既存窓の形状によっては、開閉の際に内窓に干渉してしまうため、そもそも内窓設置自体不可能であるという場合があることを覚えておいてください。
具体的に製品を選ぶ前に、自宅の窓は内窓設置できるのかどうかを精査しておくと良いでしょう。
賃貸住宅では内窓リフォームができない場合がある
当たり前ですが、あくまでも借りている立場である賃貸住宅にお住まいの場合には、内窓リフォーム自体許可が降りない場合があります。
多くの内窓設置には、既存窓枠に穴を開けるという作業が伴うことが多いためです。賃貸物件で内窓リフォームしたいと思ったら、まずは必ず管理会社や大家さんに相談するようにしましょう。
マンションでは内窓リフォームができない場合がある
マンションであっても、内窓設置部分も共用部分であると見なされるなどして、内窓リフォームができない場合があります。
必ず管理規約に一通り目を通し、管理組合に問い合わせるなどして、内窓リフォームの可否を聞いてから、話を進めていってください。
掃除の手間が倍になる
窓の掃除は手間がかかるものですが、内窓リフォーム後には、単純に窓の枚数が増えるので、手間も倍になることを覚悟しておきましょう。
しかし、手間だからといって、汚れを放置してしまうと、より掃除が大変になるので、こまめに年に2回程度の掃除を行う必要があります。
窓の開閉が倍になる
窓が増えると、開閉時にも2つの錠を開閉する必要があります。普段窓を開ける頻度が少ない窓であれば気にならないと思いますが、もともと開閉頻度が高い窓に内窓を設置してしまうと、意外と億劫になる可能性があることを忘れないでください。
内窓リフォームには効果がない?

そもそも内窓・二重窓リフォームには効果がないということはあり得ません。効果がないと言っている人の多くは、自分が期待していたほどの効果を感じることができなかったというパターンが大半です。
また、デメリットを事前に理解していなかったことで、メリットよりもデメリットが大きく、期待を裏切られたと感じている人もいるかもしれません。
いずれにせよ、きちんと目的を定めて、製品を選んだり、信頼できる業者に依頼したりできれば、期待している効果をきちんと得ることができるのが内窓リフォームですので、安心してください。
内窓リフォームの失敗例

様々なメリットを受けることができる内窓・二重窓リフォームですが、明らかに内窓リフォームに失敗してしまったというケースも0ではありません。
内窓リフォームが失敗した例としては、次の2つが挙げられますが、どちらも製品の不良というより、業者の設置に不備があったことで失敗に至っています。
- 内窓の縦枠が短い
- 内窓の横枠が短い
内窓の縦枠が短い
そもそも設置する内窓の縦枠が、既存窓の枠よりも短い場合、結果的に隙間が多くなり、断熱効果や防音効果が薄れてしまいます。
なぜ内窓の縦枠が短いということになるかというと、例えば既存窓枠自体が歪んでいたり、既存窓枠の計測に誤りがあったり、根本的に不良品であったりといったことが想定されますが、いずれにせよ設置段階で気づける事象です。
内窓の縦枠が短いまま無理に取り付ける悪質な業者の場合、見えにくい下に隙間を作ることが多いでしょう。もちろん、無理に取り付けているので、窓自体ちょっとしたはずみで外れやすいというデメリットもあります。
内窓の横枠が短い
内窓の横枠が短いというケースもあります。この場合にも、高い気密性を保持できないため、結果的に断熱効果や防音効果を得ることができません。
縦枠が短い場合と異なり、窓が外れやすいということはないにせよ、内窓の横枠が短いままの状態で施工された側は、たまったものではないでしょう。
内窓リフォームに失敗・後悔しないために

内窓・二重窓リフォームには、それなりの費用がかかりますし、事前のリサーチも必要なため、時間も取られます。それなのに、失敗・後悔してしまったら、とても悔しいですよね。
そこでここでは、内窓リフォームに失敗・後悔しないための方法を4つご紹介します。
- メリットだけでなくデメリットを理解しておく
- 期待する効果に優先順位をつける
- 安さだけで決めない
- DIYが仇になることもある
メリットだけでなくデメリットを理解しておく
この記事でも包み隠さずご紹介したとおり、内窓リフォームにはメリットだけでなく、様々なデメリットがあります。デメリットは自分には関係ないと思わず、きちんと事前に理解しておかなければなりません。
デメリットを理解し、受け入れておくことで、内窓リフォーム完了後に思っていたのと違った、やはりリフォームしなければ良かったと思うことは少なくなるはずです。
もちろん、もともとデメリットだと覚悟していたことが、そこまでデメリットに感じない場合もあります。
そのため、事前リサーチ段階で、デメリットを理解しておくことが非常に重要なのです。
期待する効果に優先順位をつける
内窓リフォームを考えている方の多くは、住まいになんらかの悩みや不満を抱えています。もちろん、その悩みや不安を解決するために、断熱効果をはじめ、防音効果、遮熱効果、結露対策など、様々な効果を得たいと思っているでしょう。
しかし、全ての効果を平等に高いレベルで享受できる内窓は、なかなか存在していないのが実情です。
そのため、どの効果は譲れないのか、優先順位を付けた上で、最も優先度の高い効果を確実に期待できる内窓を選ぶようにすると、期待を裏切らない内窓リフォームになる可能性が高くなります。
安さだけで決めない
一般的なリフォームと異なり、既存窓や壁などを基本的に壊すことがない内窓リフォームは、比較的安価ではありますが、それでもなるべく安い窓、安い業者に依頼したいと考えるのが人間の性でしょう。
しかし、安さばかり重視してしまうと、そもそも窓の性能自体ランクの低いものしか選ぶことができず、断熱効果や防音効果、遮熱効果などの様々な効果を期待ほど得ることができなかったり、悪質な業者に依頼してしまったりといったことになりかねません。
もちろん、予算を決めておくことに越したことはありませんが、予算の中で、最もコストパフォーマンスが良い窓、業者に依頼できるよう、3社程度の複数社に相見積もりを依頼し、冷静に費用相場や各社の良し悪しを見極めることが大切です。
また、節約しながら後悔しない内窓リフォームを実現する方法としては、国や地方自治体による補助金制度を活用するという手段もあります。
もちろん条件に合致していなければなりませんが、同じ費用負担でもグレードの高い内窓を取り付けることができる可能性もあるので検討してみてください。
DIYが仇になることもある
費用を抑えるために、ものづくりが得意な方、好きな方は自分で材料やキットを使って、DIYするということもあるかもしれません。
もちろん、内窓をDIYして、快適な暮らしを手に入れている方もたくさんいますが、時に見た目は良くても、思うような断熱効果や防音効果を得られないという場合があることを覚えておきましょう。
DIYで内窓を取り付けた後、思ったほど効果がないことに気づいたら、改良をしたり、最終的には既製品の設置を業者に依頼したりすることになるはずです。
最初から、ちゃんと効果の高い既製品を取り付けておいた方が、出費が少なかったということになりかねませんので、事前にDIYで本当にいいのかをしっかりと検討してください。
スポットを絞ってリフォームするのもおすすめ

家の全ての窓に内窓・二重窓を設置できれば、それに越したことはありません。しかし費用が高くついてしまうため、現実的な話ではないでしょう。
しかし、せっかく内窓リフォームするなら、様々なメリットをしっかりと実感できるように1箇所だけでなく、複数箇所まとめてリフォームするべきです。
そこでおすすめなのが、スポットを絞り、集中的に内窓リフォームする方法です。ここでは特におすすめの2つのスポットをご紹介します。
- リビングの窓全てに内窓設置と玄関ドアの断熱リフォーム
- キッチン・洗面所・お風呂・勝手口のドアに内窓設置
リビングの窓全てに内窓設置と玄関ドアの断熱リフォーム
家の中で、寝ている時以外、最も過ごす時間が長いであろうリビングにある窓全てに内窓を設置し、同時に玄関ドアの断熱リフォームを行うと、玄関から侵入してくる冷気がなくなり、足元が冷えるといったことがなくなります。
リビングの窓だけでも、ある程度の断熱効果は感じるかもしれませんが、実は玄関からの隙間風もないがしろにできないほど、リビングには冷気が意外と伝わってきているので、玄関ドアの対策も非常に重要なのです。
内窓を設置施工している業者の多くは、玄関ドアの断熱リフォームも同時に依頼できることが多いので、ぜひ検討してみると良いでしょう。
キッチン・洗面所・お風呂・勝手口のドアに内窓設置
キッチン・洗面所・お風呂・勝手口のドアといった、水回りの箇所に内窓を一気に設置するのもおすすめです。
特にキッチンに勝手口がある住まいでは、玄関よりもより冷気が侵入している、あるいは暖気が外に逃げていってしまう原因になっている可能性があります。
勝手口に内窓?と思うかもしれませんが、勝手口には勝手口用のドアのような内窓が存在しているので、ぜひ取り付けを検討してみると良いでしょう。
特にキッチンを使う時間帯は、冷え込む朝と夜がメインですし、キッチン周りを整備することで、隣接するリビングも暖かくなる可能性が高くなりますよ。
どうしてもDIYで内窓をつけるという場合

DIYの内窓・二重窓は、高い効果を得ることができない可能性があるとお伝えしましたが、それでもDIYで内窓をつけるという場合には、高い効果を期待しないことを大前提に取り付けるようにしましょう。
もちろんDIYであれば、既製品にはない枠のカラーにペイントすることができるため、見た目に幅を持たせることができます。
見た目重視効果は二の次ということなら、DIYで全く問題ないので、キットや材料を手に入れ、ぜひ試してみてください。
まとめ
内窓・二重窓リフォームには効果がないのかについて、この記事では、内窓リフォームの失敗例をはじめ、内窓リフォームに失敗・後悔しない方法をご紹介してきました。
内窓リフォームは、きちんとした製品を選びつつ、家の全ての窓でなくても、スポット的に設置すること、そして信頼できる業者に依頼することで、失敗・後悔する可能性は格段に減少します。
事前にリサーチを重ね、過度な期待はせず、着実に堅実に内窓リフォームができるように、業者とのやりとりを進めてくださいね。