内窓・二重窓リフォームしたいけど、マンションだからそもそもできないのでは?と不安になっている方も多くいらっしゃるかもしれません。
しかし、実際には、多くのマンション居住者が内窓リフォームに成功していることをご存知でしたか?
そこでこの記事では、マンションの内窓リフォームについてフォーカスし、マンションでの内窓リフォームの流れや注意点などを細かく徹底解説していきます。
マンションに住んでいると感じる悩み

マンションにお住まいの方は、コンシェルジュが常駐していたり、オートロックで防犯対策がばっちりだったり、共有部分の清掃などは管理会社に任せておけばよかったり、宅配ボックスがついていたりと、便利な生活を送っているのではないでしょうか。
その一方で、次のような悩みも抱えている方もいらっしゃるかと思います。
- 窓から隙間風が入ってくる
- 騒音が気になる
- 結露が発生してしまう
これらの悩みを解決するためには、内窓・二重窓リフォームが最適なのですが、悩みの原因をきちんと理解しておかないと、リフォーム後に後悔してしまうことがあります。
ここでは、マンションに住んでいると感じる悩みを1つずつ掘り下げていきます。
窓から隙間風が入ってくる
高層階に住んでいると、風の強さを感じることが多いので、窓から隙間風が入ってきていることにも気づく方も多いです。
窓は、家の中でも最も熱が逃げやすい箇所である上、窓から入り込む隙間風を完全に0にするということは、非常に難しいでしょう。
特に寒い冬の季節には、部屋の暖房器具をめいいっぱい稼働させているのに、なかなか部屋が暖まらないということもしばしば起こり得ます。
騒音が気になる
最近の高層マンションは、防音対策がなされているので、隣の部屋や上下階の住民の生活音がほとんど気にならない環境になってきたとはいえ、高層階にお住まいの方ほど、意外と外からの騒音が気になるのではないでしょうか。
特に、マンションの周囲に音を遮断するような建物がなければ、音が聞こえやすいという特徴があるため、眺めの良い高層階にお住まいの方ほど、騒音に悩まされやすいです。
結露が発生してしまう
マンションは、気密性が高いゆえに、湿気がたまりやすく、定期的な換気をしなければ、室内の湿度がいつの間にか高くなっているということが少なくありません。
そうした状態では、外の冷気に面している窓を介して、窓付近の暖かい湿った空気が急激に冷やされることで、窓ガラスに結露が発生してしまいやすいのです。
特に小さなお子様のいるご家庭では、お子様がカビなどにアレルギー反応を起こしやすいため、結露に敏感になってしまっているかもしれませんね。
隙間風・騒音・結露の悩みには内窓リフォームが最適

マンションに住んでると感じる悩みのうち、前述したような、隙間風や騒音、結露の発生などの悩みを一挙に解決できる方法があるのをご存知でしょうか。
それはズバリ、内窓・二重窓リフォームです。
内窓リフォームとは、既存の窓を壊すことなく、内側に別の窓を取り付けることを言います。
ただ窓が増えるだけで、いったい何が変わるの?と思われるかもしれませんが、最も家の中で熱の出入りや音の出入りが激しいと言われている窓部分を補強することになるので、非常に多くのメリットがありますよ。
マンションでの内窓リフォームのメリット

マンションでの内窓・二重窓リフォームを行うことで、どのようなメリットがあるのかを、1つずつみていきましょう。
- 専有部分である場合が多く工事許可が出やすい
- 断熱効果
- 防音効果
- 結露対策
- 遮熱効果
- 防犯対策
専有部分である場合が多く工事許可が出やすい
たいていの場合、外窓部分はマンションの共用部分であると見なされるため、外窓のサッシやガラスを交換しようとすると、工事許可が出ないことが多いです。
また、外窓部分は、防火基準を満たしているものでないといけないなど、制約も多く、交換するためには、非常に細かな部分まで気を遣わなければなりません。
しかし、内窓リフォームであれば、既存の外窓を壊したり、取り替えたりする作業はなく、純粋に、新しい窓を内側に取り付けるということになるため、専有部分であると考える規約や管理組合が多く、工事許可が出やすいというメリットがあります。
また、一般的な内窓リフォームの場合、既存窓枠をそのまま生かして施工するため、非常に施工も簡単な上、施工時間が短いのも嬉しいポイントです。
断熱効果
壁は厚みがあるだけでなく、断熱材が入っているので、室内の熱を外に逃さず、外からの冷気を中に入れないという断熱効果が高い一方、窓は薄く、ガラスであることから、どうしても室内の熱が外に逃げやすいという傾向があります。
そのため、内窓リフォームを行うと、外と室内の間を2枚のガラスで隔てることができるだけでなく、外窓と内窓のガラスの間に、空気の層ができることで、高い断熱性をもたせることができるのです。
また、アルミ製が基本の既存の外窓のサッシに対し、内窓の多くは樹脂製であるため、熱の電動がしにくく、さらにサッシの隙間もないものを選べば、隙間風が入ってくるのも防ぐことができますよ。
防音効果
電車や車、バイクの走行音、公園での話し声など、様々な騒音に悩まされている方、あるいは、小さなお子様や飼っているペットの鳴き声などが外に漏れていないか心配な方も、内窓リフォームをすることで、防音効果を期待できるのでおすすめです。
防音効果をきちんと得たいということであれば、必ず外窓とは異なる仕様のガラス窓を内窓にしつつ、樹脂製サッシの隙間が最大限ないようなものを選び、さらには、外窓と内窓の間の中間層の幅をめいいっぱいとると良いと言われています。
ただし、一口に防音と言っても、人によって音の感じ方が違うため、きちんと設置業者と事前にどのような音をどれくらい軽減したいのかということを話し合っておかないと、あとで期待よりも効果が薄かったというようなことになりかねませんので、注意してください。
結露対策
マンションの悩みの中でも、特に結露に悩まされている方は多くいらっしゃいます。結露対策としても、内窓リフォームは非常に効果的です。
外の空気との温度差が少なくなればなるほど、結露発生を防ぐことができるので、内窓の室内側に結露ができることはほぼなくなるはずです。
なお、北海道や東北などの、冬に冷え込みが厳しくなる寒冷地にお住まいの場合には、なかなか内窓をリフォームしても、外と室内の温度差が大きすぎて、結露対策にならないことがあるので、注意しましょう。
遮熱効果
ガラス窓の性能によりますが、中には遮熱効果がある内窓も存在しています。遮熱効果が高いものであれば、夏の暑い日差しでも、日光を採り入れながら、紫外線や熱をしっかりとカットすることができるので、室内温度を快適なものに保つことができるでしょう。
エアコンや扇風機の設定温度を極端に下げなくても、室温が保たれるので、昨今値上がりが止まらない光熱費を節約することに繋がりますし、環境にも優しいので、ぜひ内窓リフォームを検討してみてください。
防犯対策
あまり高層階では求められない機能かもしれませんが、下層階にお住まいの方は、内窓リフォームが防犯対策になることも覚えておくと良いでしょう。
単純に窓が2枚になるということは、空き巣や強盗などを企てている人物からは、嫌がられるため、視覚的に高い防犯対策になると言われています。もちろん、内窓にもしっかりと施錠できるため安心です。
また、2層のガラスの内側に、特殊なフィルムが施された防犯ガラスを選べば、もしならず者が侵入しようとしても、ガラス自体が割れにくく、貫通しにくい上、万が一割れてしまっても、飛び散るリスクも低いため、より安心感が高まります。
もっと言うと、防犯ガラスにしておくと、台風や突風で物が飛んで来てガラスに当たったり、地震の衝撃でガラスが割れたりしても、ガラスが飛び散らず、怪我をする心配が少なくなりますよ。
マンションでの内窓リフォームのデメリット

マンションでの内窓・二重窓リフォームのメリットをご紹介してきましたが、もちろん全くデメリットがないということではありません。
後悔することがないよう、あらかじめ下記のデメリットがあることを頭の片隅に入れておきましょう。
- 管理組合とのやりとりがある
- 近隣住民への配慮が必要
- 掃除が億劫になる
- 窓の開閉が億劫になる
管理組合とのやりとりがある
当たり前ですが、一軒家ではないので、内窓リフォームを考えている時点から、管理組合にお伺いを立てたり、実際の依頼となったら、スケジュールを共有したりと、様々なやりとりが必要となります。
きちんと管理が行き届いている管理組合ほど、規則がきっちりと細かく決まっていたり、内窓リフォームに際し、指定のフォーマットでの申請書の提出が必要だったりと、色々な制約がある場合があるので、より手間に感じるかもしれません。
もちろん、業者ともやりとりしなければならず、一軒家にお住まいの方と違って、単純に労力は2倍になると覚悟の上、リフォームに臨むことをおすすめします。
近隣住民への配慮が必要
一軒家の場合も同様ではありますが、特に同じ建物を共有している近隣の住民への配慮も必要となることを忘れないでください。
業者によっては、事前に近隣住民に挨拶回りしてくれたり、チラシを配ってくれたりすることもありますが、それでも、隣や上下の部屋の住民には、自ら事前に挨拶回りしておくに越したことはありません。
いくら内窓リフォームが簡単な施工だったとしても、業者の出入りがあったり、製品の搬入があったり、いつもよりも物音を立ててしまうことは必須です。
無用なご近所トラブルに発展しないよう、細心の注意を払いましょう。
掃除が億劫になる
内窓を設置するということは、既存窓の他にもう1つ窓が増えるということです。しかも1部屋だけでなく、複数の部屋でリフォームすれば、その分窓の数も増えていきます。
もちろん内窓リフォームすることで、断熱、防音、遮熱効果を感じたり、結露対策ができたりする一方で、掃除が億劫になるかもしれないと言うことを覚えておいてください。
綺麗好きで掃除好きという方であれば、何も問題ないかもしれませんが、ただでさえ窓ガラスやサッシの掃除は面倒という方は、よりストレスになること間違いなしです。
また、外窓と内窓の間隔が狭ければ狭いほど、手が届きにくく、埃が溜まりやすいので、注意が必要です。
窓の開閉が億劫になる
内窓リフォームによって、掃除が億劫になるだけでなく、窓の開閉自体が億劫になるかもしれません。
特に、日頃から窓の開閉を頻繁に行う窓に、内窓を取り付けてしまった場合、毎回2つの鍵を開け閉めしなければならず、意外と面倒だと感じるでしょう。
年齢を重ねれば重ねるほど、力も入れにくく、より大変さを感じる可能性があるので、内窓の効果と天秤にかけて、本当に設置すべき窓なのかをきちんと精査する必要があります。
マンションでの内窓リフォームの流れ

マンションでの内窓・二重窓リフォームのメリットとデメリットを理解したところで、最も肝心となるマンションでの内窓リフォームの流れについて、ご紹介していきます。
- 管理規約を確認
- 管理組合に相談
- 内窓のカタログなどを手にいれる
- 業者へ見積もり依頼
- 実際に工事を依頼することを決めたら管理組合に申請
- 業者に発注
- 近隣住民に挨拶
- 業者による工事実施
- 管理組合に報告
1.管理規約を確認
当たり前のことですが、内窓リフォームしたいと思い立った時点で、何よりもまずマンションの管理規約を確認しましょう。
ある程度話が進んでから、管理規約上内窓リフォームできないということが発覚してしまった場合、ショックもさることながら、業者にも迷惑をかけてしまうことがあるためです。
また、管理規約が手元にないという場合には、管理組合に問い合わせて、管理規約を手に入れ、必ず細かな点まで目を通すようにしてください。
2.管理組合に相談
管理規約を確認し、規約上問題なさそうだと思ったら、管理組合に内窓リフォームを検討している旨を相談します。
この際、こういう施工は良くて、こういう施工はダメといったような条件などを教えてくれる場合があるので、きちんとメモをとっておきましょう。
また、管理組合によっては、正式な申請書類などを提示されることもあるので、確認しておくと安心です。
もし、管理規約を確認して大丈夫と思って管理組合に相談しているのに、そもそも内窓リフォームがダメだと言われたイレギュラーな場合には、理由はもちろん、管理規約のどこに書いてあるのか、どの規約に該当するのかなどを聞いてみると良いかもしれません。
3.内窓のカタログなどを手にいれる
管理規約に問題がなく、管理組合からも了承してもらえそうなら、どの内窓にするかを決めていきます。
現代では、インターネットで調べるといった方法が主流だとは思いますが、ある程度目星がついたら、内窓のカタログなどを手に入れたり、難しければ、スペックなどの詳細ページを印刷しておいたりしておくと良いでしょう。
後々、管理組合に申請する際、どのような内窓を取り付けるのか、資料の提示を求められる可能性があるためです。
あとでバタバタしなくてすむように、なおかつ事前にしっかりと吟味できるように、準備は怠らないようにしてください。
4.業者へ見積もり依頼
取り付けたい内窓を決めたら、業者へ見積もりを依頼しましょう。
なお、見積もりを依頼する際には、必ず3社以上の複数社に依頼し、費用の相場や、サービスの品質、アフターフォローなど様々な面から冷静に信頼できる業者を見極める必要があることを忘れないでください。
安さだけで決めてしまうと、ずさんな工事だったり、しっかりとした防音効果や断熱効果などを得られなかったりしてしまうこともあります。
また、事前に取り付けたいと考えている製品で、どのような効果を期待しているのかということも見積もり前に相談しておくと、その製品で問題ないのか、実は他の製品の方がより良いのかなども考えてくれることがあるので、要望はしっかりと伝えておくと安心です。
5.実際に工事を依頼することを決めたら管理組合に申請
複数社に相見積もりをとって、信頼して依頼できる業者を見つけて納得できたら、管理組合に正式に工事をすることを申請します。
内窓リフォームの場合、穴を開けたり、何かを取り壊したりということはほぼ想定されないため、そこまで厳しいことは言われないとは思いますが、管理組合によっては、指定の書類に必要事項を記入し、製品カタログや施工業者などの詳細とともに提出しなければならないことがあるので、管理組合の指示に従ってください。
もちろん、施工スケジュールも、管理組合がある程度の日取りを指定してくる場合があるので、業者とのすり合わせも必要になります。
また、搬入経路の確認などもこの際に済ませておくとスムーズでしょう。
6.業者に発注
管理組合に内窓リフォームの申請をし、許可が出たら業者と契約を交わし、発注することになります。
発注後は、施工日時や支払い期日など色々と業者と話を詰めていく必要があるでしょう。
7.近隣住民に挨拶
実際の工事スケジュールが決定したら、近隣住民に挨拶に行きましょう。
自分が何階の何号室に居住している者なのか、〇日の何時ごろに△という業者が何時間くらい作業する予定なのかなどを、簡単に説明できれば大丈夫です。
しかし、昨今では、アポなしのインターホンには、応答しない家庭も増えているので、簡単な説明を記した案内文を用意し、郵便受けに入れるということでも問題ないかもしれません。
また、丁寧な業者であれば、業者自ら近隣住民に挨拶回りしてくれる場合がありますので、同席したり、あるいは一緒に案内文を入れたりできると、他の住民側としても1回で済むので煩わしさを感じずにいてくれる可能性があります。
8.業者による工事実施
全ての準備が整ったら、業者による工事実施日を迎えるのみです。
工事実施日には、搬入経路の再確認をしながら、業者にはなるべく物音を立てないように、静かに迅速に、そして丁寧な作業を行ってもらうようにしてください。
また、全てを見張っている必要はありませんが、要所要所で進捗状況を確認したり、施工後の状態をしっかりと説明してもらったりするようにしましょう。
9.管理組合に報告
業者による工事が無事に終わったら、管理組合に報告しましょう。
報告時にも口頭や電話連絡だけで済むこともあれば、管理組合によっては、工事完了にあたっての指定の書式に署名するなどといったことを求められることもありますので、指示に従ってください。
もちろん、無事に完了できたことに感謝の意を伝えることを忘れないようにしておくと、印象が良く、今後何か入り用の際にも相談しやすくなりますよ。
マンションでの内窓リフォームの注意点

最後に、マンションでの内窓・二重窓リフォームの注意点について、4つピックアップしましたので、確認しておきます。
- 内窓リフォームに対応していない外窓の場合がある
- 管理規約の確認が必要
- 管理組合の許可が必要
- 搬入経路の確認
内窓リフォームに対応していない外窓の場合がある
内窓リフォームをしたいと思っても、稀に内窓リフォームに対応していない外窓の仕様があるので注意が必要です。
例えば、内側に倒して開閉する窓をはじめ、回転する窓、内開き窓、上げ下げ窓などといった窓が挙げられます。
一般的なマンションの窓では、こうした窓が少ないとは思いますが、内窓リフォームを考えた段階で、管理規約を確認するより先に、そもそも内窓設置できるまどなのかどうかを今一度確認しておくと安心です。
管理規約の確認が必要
マンションの内窓リフォームの流れでも説明しましたが、なんと言っても、管理規約を確認し、自分の住んでいるマンションでの内窓リフォームは、専有部分にあたるのか、共有部分にあたるのか、そもそもリフォーム自体可能なのかなど、細かくチェックしてください。
管理規約上、不可であるかもしれないということであれば、無理に内窓リフォームを進めず、必ず管理組合に尋ねるなどして、作業後に賠償問題になることがないように慎重に進めていく必要があります。
管理組合の許可が必要
管理規約を読んで、内窓リフォームが問題ないと解釈したからといって、勝手に内窓リフォームの話を進めてはいけません。
必ず管理組合にお伺いをたてた上で、許可をもらってから、具体的に動いていくようにしてください。
許可をとること自体めんどくさがったり、規約上ダメだからとあえて許可を取らずに進めたりしたら、後々必ず大きなトラブルに発展します。賠償請求されてしまう可能性もありますので、管理組合への確認は怠らないようにしましょう。
搬入経路の確認
管理組合へ確認したり、工事申請したりした際には、業者による製品の搬入経路の確認をきちんとしておく必要があります。
マンションには、他にもたくさんの住民が住んでいるので、住民に迷惑がかからないように、エレベーターで移動するにしても、階段で移動するにしても、どの経路であれば良いのかを明確にしておきましょう。
まとめ
マンションの内窓・二重窓リフォームについて、この記事では、マンションでの内窓リフォームの流れや注意点などを細かく徹底解説してきました。
マンションであっても、専有部分であると管理規約でみなされ、管理組合の許可が出れば、内窓リフォームは実施できます。
マンションだからと確認する前から諦めず、色々とリサーチして、より住みやすい居住空間になるよう、ぜひ内窓リフォームにチャレンジしてみてくださいね。