お手軽なリフォームとして、内窓を取り付けるというものがあります。内窓・二重窓を取り付けることで、今ある部屋の雰囲気を、おしゃれに演出することができるだけでなく、防音や断熱効果など、様々なメリットを享受できるので、大変人気となっています。
しかし、内窓を取り付けるだけとはいえ、それなりの費用がかかってしまうため、憧れてはいても、なかなか重い腰が上がらないという方も多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめなのが補助金制度の利用です。実は、内窓のリフォームには、様々な補助金制度が存在しており、費用を抑えて、リフォームを行うことができる可能性があります。
そこでこの記事では、内窓のリフォームで利用可能な補助金制度や、内窓リフォームの注意点を徹底解説していきます。
内窓のリフォームで利用可能な国による補助金制度

内窓・二重窓のリフォームで利用可能な補助金制度には、国もしくは地方自治体によるものがあります。
ここでは、国による4つの補助金制度を見ていきましょう。
こどもエコすまい支援事業
こどもエコすまい支援事業とは、子育て世帯あるいは若い世代の夫婦世帯を対象とした、ZEHレベル基準を満たしている新築住宅への支援と、すべての世帯を対象とした、省エネのためのリフォームなどを支援している制度です。
対象期間
工事請負契約日は対象期間としては問われませんが、着工日の対象期間としては、2022年11月8日〜2023年12月31日(予算上限によって変動)です。
申請数が多い場合、予算によって、締切日が前倒しになるかもしれませんので、公式ホームページの最新情報を確認してください。
補助対象
既存の窓の内側に、新しく内窓を新設したり、あるいは既存の内窓を新しい内窓に交換したりする場合は、開口部の断熱改修の補助対象です。
工事発注者の代わりに、交付申請などの手続きを代行し、なおかつ交付を受けた補助金を工事発注者に還元するものとして、こどもエコすまい支援事業に登録済みの工事施工業者と、工事請負契約などを交わし、リフォーム工事をする方、なおかつリフォームする住宅の所有者である方が、補助対象となります。
補助金額
1箇所あたりの補助額と実際の施工箇所数により、補助額が算出されます。ただし、申請する補助額の合計が5万円未満の場合は、補助の対象にはなりませんので、注意してください。
上限金額としては、1戸あたり、30万円となっていますが、一部条件に該当している場合、上限金額が引き上げられる場合があります。
申請方法
あらかじめこどもエコすまい支援事業者として登録済みの工事施工業者が、事務局に申請手続きを行うことになります。
あくまでも工事発注者は、申請ができないことを覚えておきましょう。
こどもエコすまい支援事業 | https://kodomo-ecosumai.mlit.go.jp |
先進的窓リノベ事業
先進的窓リノベ事業は、既存住宅における、窓の高い断熱化を促進するべく、先進的である断熱性能を有する窓に交換するというリフォームを、重点的に視点してくれる補助金制度です。
近年著しいエネルギー価格の高騰への対策になる上、2030年度目標の家庭からのCO2排出量およそ70%削減への貢献などになることから、制度が立ち上げられました。
対象期間
- 工事請負契約日の期間:2022年11月8日〜2023年12月31日まで(予算上限によって変動)
- 着工日期間:窓リノベ事業者の登録以降
- 交付申請期間:2023年3月下旬から2023年12月31日まで(予算上限によって変動)
申請数が多い場合、予算によって、締切日が前倒しになるかもしれませんので、公式ホームページの最新情報を確認してください。
補助対象
補助対象者に代わって、交付申請手続きを行い、補助金の交付を受けたのち、交付された補助金を補助対象者に還元するものとして、事務局に登録済の、窓リノベ事業者と工事請負契約を交わした上で、窓のリフォーム工事を行う方、なおかつ、窓のリフォーム工事を行う住宅の所有者などである方が補助対象となります。
また、建築から1年以上経過した住宅、あるいは、過去に人が居住していた住宅でなければなりません。
内窓リフォームとしては、既存の窓の内側に新しい窓を新設したり、既存の内窓を取り除いて新たな内窓に交換したりする工事が対象となります。
補助金額
一戸あたり、5万円〜200万円までの補助金額となっていますが、もちろん工事内容や、製品の性能や大きさなどにより変動しますので、注意してください。
先進的窓リノベ事業 | https://window-renovation.env.go.jp |
既存住宅における断熱リフォーム支援事業
既存住宅における断熱リフォーム支援事業は、その名の通り、既存住宅で、CO2削減関連の投資によって、エネルギー消費効率の改善、および低炭素化を促進し、高い性能を誇る建材を用いた、断熱改修を支援する補助金制度です。
対象製品
大信工業株式会社の内窓プラスト 一般複層をはじめ、YKK AP株式会社の内窓プラストKR クリアフィットなど、様々な対象製品があります。
公式ホームページでは、随時対象製品が追加されているので、最新情報を必ず確認するようにしましょう。
対象期間
対象期間は、2023年1月16日〜2023年3月3日17時までと非常に短いものとなっていますが、2022年は3月公募、6月公募、9月公募と、細かいスパンで公募がかけられていたので、もし今回の対象期間を過ぎてしまっても、また、新しい公募が始まる場合があります。
補助対象
窓やガラス、断熱材を用いて、家全体での断熱改修を行う場合、あるいは、窓によって、居間を主として断熱回収する場合、補助対象となります。
補助金額
既存住宅における断熱リフォーム支援事業 | https://www.heco-hojo.jp/yR03/danref/index.html |
長期優良化リフォーム推進事業
長期優良化リフォーム推進事業は、劣化対策をはじめ、耐震性、省エネルギー性能の項目について、評価基準に合う住宅へのリフォームと、さらに維持管理の項目に至るまで、認定の基準に合う住宅へのリフォームをする際に、補助金が出る制度です。
他の補助金とは少し異なり、有資格者が建物の現在の状況の調査を実施した上で、リフォームする内容の計画を行い、申請する必要があります。
要件
前述したように、インスペクションという、有資格者による事前調査及びリフォーム計画の立案はもちろんのこと、リフォーム後の住宅が、指定される基準を満たすものであること、さらにリフォーム履歴及び維持保全計画の作成が必須となります。
対象期間
住宅登録の受付期間は、2022年4月8日〜2022年12月16日まで、交付申請の受付期間は、2022年5月9日〜2022年12月23日まで、完了実施報告受付期間は、2022年6月13日〜2023年2月17日までとなっていました。
今後2023年度にも、申請できる可能性がありますので、随時公式ホームページをチェックしてみると良いでしょう。
補助対象
劣化対策と耐震性、省エネルギー性能の項目についての性能向上のための工事が必須となっているのと、別途、維持管理や更新の簡単さ、場合によっては高齢者などの対策などの任意項目への工事を行う場合に、補助対象となります。
補助金額
評価基準型では、指定の補助工事単価を積み上げた合計金額の3分の1の金額、あるいは、補助対象に該当している工事金額に対し、補助率3分の1の金額が、補助金額として支給されます。
認定長期優良住宅型の場合には、また別の補助金額の算出方法がありますので、詳しくは、公式ホームページを確認してください、
長期優良化リフォーム推進事業 | https://www.kenken.go.jp/chouki_r/ |
内窓のリフォームで利用可能な地方自治体による補助金制度

続いて、地方自治体による補助金制度も見ていきます。
地方自治体による内窓・二重窓リフォームで利用できる補助金制度としては、東京都や札幌市などのものが有名ではありますが、お住まいの地域でも対象となる補助金制度があるかもしれません。
インターネットで検索する場合、下記の検索ワードで調べると見つかりやすいはずです。
「自治体名・内窓・リフォーム・補助金」
「自治体名・二重窓・リフォーム・補助金」
インターネットで検索しても出てこないという場合には、そもそもお住まいの地方自治体では補助金制度がないこともありますが、役場や業者などに確認してみるのも一つの手です。
内窓リフォームの注意点

これまで、内窓・二重窓のリフォームで利用可能な補助金制度について、ご紹介してきました。
しかし、補助金制度を利用するとしても、内窓リフォームの際には、様々な注意点が存在しているので、頭の片隅に入れておいてください。
そもそも内窓が設置できない箇所で検討していないか
内窓リフォームに夢を膨らませていて、補助金制度などについても念入りに調べ、実際に業者に見積もりをしてもらうため、自宅を見にきてもらったのに、実は、内窓を設置できない箇所だったということがわかったら、とてもショックかと思います。
実は、そもそも内窓が設置できないという箇所が、どうしても存在しているのです。
例えば、窓枠幅のない窓であったり、カーテンボックスがついている窓であったり、開き窓であったり、上げ下げで開閉する窓であったりする場合が挙げられます。
これらのような窓である場合には、内窓リフォーム自体ができない場合があるので、注意が必要です。
マンションの共用部分になっていないか
マンションに住まわれている場合、部屋の多くの部分は、所有者個人の専有部分となっているとはいえ、所有者が勝手にリフォームできない共有部分に内窓が当たる場合があります。
そのため、リフォームの話を進める前に、マンション管理会社などに問い合わせしておくと、トラブルを未然に防ぐことができるでしょう。
窓を頻繁に開閉する部屋ではないか
内窓リフォームの前から、窓を頻繁に開閉する部屋である場合、内窓を設置してしまったことで、後悔してしまう場合があります。
内窓が増えることで、窓の開け閉めが億劫になるなど、ストレスに感じてしまうためです。見栄えをはじめ、防音効果や断熱効果などを求めるとしても、そもそもその部屋に本当に内窓が必要なのかを今一度考えると良いでしょう。
業者に依頼する
補助金制度を活用するしないに関わらず、内窓リフォームをする際には、自分の手で行わず、業者に依頼することをおすすめします。
DIYが流行ってはいますが、内窓を取り付ける=見た目のおしゃれさだけ追求するならまだしも、断熱効果や防音効果、あるいは防犯効果を高めたいと考えている場合には、業者に依頼する方が安心です。
内窓と一口に言っても、取り付けには専門的な知識や技術が必要となる上、ガラス窓がついている場合、取り扱いにも注意が必要なためです。
費用を抑えたいからと言って、無理して全てを自分の手でやろうとした時に、思うように取り付けがうまくいかなかったり、間違ってガラスにヒビが入ってしまったり、割れてしまったりすると、結果的に高い費用がかかってしまうこともあるのです。
補助金によっては利用できない業者がある
今回ご紹介した、国による補助金制度をはじめ、地方自治体の補助金制度には、発注者からではなく、あらかじめ登録済みの事業者からでないと、申請すらできない場合があります。
つまり、利用したいと思っている補助金制度があっても、依頼する業者によっては、補助金制度を利用できないということがあるのです。
そのため、業者を選ぶ際には、施工金額の安さだけで選定せず、あらかじめどの補助金制度を使いたいと思っているのかを伝え、その業者で申請することができるものかどうかを確認しておくことが重要となります。
また、もし仮に、目星をつけていた補助金制度が利用できない業者だったとしても、別の地方自治体の補助金制度が使えるなどといった、代替案を提示してくれる可能性もあるので、その際には、より恩恵の大きい制度を活用すると良いでしょう。
複数社から相見積もりを取る
内窓のリフォームに限ったことではありませんが、最初から一つの業者に絞り込んで依頼するのは、とてもリスクが高いので、やめてください。
必ず、3社程度の複数の業者に相見積もりを取った上で、納期や金額、サービスなど、様々な観点から、冷静に信頼できる業者を見定める必要があります。
見積書を見比べると、必ず相場が見えてきますし、複数社の中で突出して安いあるいは高い場合には、なぜその金額なのかを突き詰めることも大切です。
仮に突出して安くても、安さの理由が下請け企業が入らなかったり、メーカーから製品を直仕入れしたりしていることで、中間マージンがかからないということであれば、納得できます。
逆に、突出して安い理由が見当たらないという場合には、施工の技術が低かったり、手抜き工事されてしまったり、工事後に追加料金が発生したりするなど、何か裏がある場合があるので、注意が必要です。
他の補助金と併用できるかをチェック
今回ご紹介した国による補助金制度の中でも、条件によっては、複数の補助金制度を併用できるものがあります。
もちろん、地方自治体による補助金制度も、国の補助金制度と併用できる場合があるため、利用したいと思っている補助金制度が他の補助金制度と併用できるかのチェックはとても大切です。
1つの補助金制度を活用できるだけでも、費用負担は軽くなりますが、複数の補助金制度を活用できれば、より費用負担は楽になるはずです。
しかし、実際に自分で色々な補助金制度を調べるのには、なかなか骨がいると思います。そのため、業者に見積もりを依頼する際に、複数の補助金制度が利用できるかどうかもあわせて質問しておくと、信頼できる業者であれば、よりお得にリフォームできるように調べてくれるでしょう。
まとめ
内窓・二重窓のリフォームで利用可能な補助金制度について、この記事では、内窓リフォームの注意点とあわせて徹底解説してきました。
内窓のリフォームをする際には、条件に応じて、国や地方自治体による様々な補助金制度を活用することができます。
なるべく費用を抑えたいと考えている方こそ、業者の提示する金額を見るだけではなく、お得な補助金制度を活用するべきです。
補助金制度が利用できれば、費用を抑えながらも、より質の高い内窓リフォームを実現することもできるでしょう。
信頼できる業者を見つけ、相談しながら、納得のできる内窓リフォームを行ってください。