内窓・二重窓リフォームをしようと思っているそこのアナタ。内窓について、色々調べているうちに、結局どこのメーカーの、どの内窓が良いかわからなくなってきていませんか?
内窓を取り扱っているメーカーはそこまで多くないとはいえ、どの内窓も機能や価格などが異なるため、適当なものを選ぶわけにはいきません。
その上、内窓設置には、それなりの費用がかかってしまうことから、自宅に最適なもの、悩みを解決できるものをしっかり見極めないと、後悔してしまう可能性もあるのです。
そこでこの記事では、有名メーカー6社の内窓の特徴をはじめ、内窓の選び方についても徹底解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
有名メーカー6社の内窓の特徴

では早速、肝心の有名メーカー6社が発売している、内窓・二重窓の特徴を見ていきましょう。
- AGC株式会社
- 株式会社ウッドワン
- 三協立山株式会社
- 大信工業株式会社
- YKK AP株式会社
- 株式会社LIXIL
AGC株式会社
AGC株式会社は、近年テレビCMでも良く目にすることが多い企業です。建築用ガラスをはじめ、自動車用ガラス・ディスプレイ・電子部材・化学品・セラミックスなどといった様々な事業を手掛けています。
中でも、ガラス事業については、1909年に、日本初の板ガラスの国産化に成功した企業である上、世界市場でもトップレベルのシェアであることから、とても信頼度が高い企業と言えます。
今回ご紹介する内窓製品だけでなく、車のフロントガラスや、車載ディスプレイ用カバーガラス、スマートフォンやタブレット端末向けのカバーガラス、太陽光電池用ガラス基板、タッチパネル用ガラス基板など、普段私たちの生活には欠かせない、あらゆるガラスを手掛けているのも特徴です。
まどまどstd
AGC株式会社のまどまどstdは、標準モデルの内窓であり、2枚引きをはじめ、3枚引き、4枚引き、内開き、テラスドア、FIXといったバリエーションの中から選ぶことができます。
様々なニーズに対応できるよう、断熱効果、防音効果、防犯効果など、非常に多くの中からガラスを選ぶことができるだけでなく、柾目を含めた、全5色の中からお好みの色を選べるのも特徴です。
内窓設置に必要となる、既存窓の余分なスペースは、64mmあれば良いので、比較的せまい窓枠にも対応できるでしょう。
まどまどplus
AGC株式会社のまどまどplusは、前述したまどまどstdをさらにグレードアップさせた、ハイグレードモデルです。それゆえに、まどまどstdとは違い、2枚引き、4枚引き、FIXの3つのタイプの中からしか選べません。
また、断熱効果、遮熱効果、防音効果があるガラスの中からしか、ガラスの種類を選択できませんが、全ての機能がとても高いため、より高い効果を求めていて、窓のタイプが合致する場合、まどまどstdより、まどまどplusを選ぶことをおすすめします。
枠の色は、プレミアムホワイトをはじめ、ハーモニックウッドやヨーロピアンオーク、パールグレーの4色から選べます。
しかし、ハイグレードモデルなだけあって、既存窓の枠のスペースは、85mm必要となるので、余裕の少ない窓枠には設置できない可能性があります。
株式会社ウッドワン
株式会社ウッドワンは、主に床をはじめ、壁や階段、ドア、収納システム、カウンターといった、木製の内装建材を製造および販売したり、システムキッチンや洗面化粧台などの様々な住宅設備機器などの販売などを手掛けている企業です。
国内だけでなく、ニュージーランド、中国、フィリピン、インドネシアにも事業所や工場を構えており、グローバルに展開する老舗企業であることから、とても信頼できるでしょう。
木製品を取り扱っていることから、ニュージーランドと経営する全ての森林で、森林管理協議会の森林認証を取得しているのみならず、国内外における木質建材関連工場でも、森林認証を取得しているなど、地球環境を考えた取り組みを徹底しています。
また、全ての商品がホルムアルデヒド発散に関する最高等級の認定を取得していたり、揮発性有機化合物に対策していたりしていることから、人体にも優しい製品であるため、お子様のいるご家庭でも安心して内窓を設置できますよ。
株式会社ウッドワン | https://www.woodone.co.jp/ |
MOKUサッシ
株式会社ウッドワンのMOKUサッシは、ニュージーランドで育った上質のパイン材を用いて作られた内窓です。一般的な内窓は、樹脂製が多く、高い防音性を誇ることや、製品によっては木彫色を選ぶことができるとはいえ、やはりどこか無機質な印象があります。
しかし、MOKUサッシは、天然のパイン材でできているため、本物の木の温もりを感じることができるデザインであり、和室を含めた、こだわりのあるおしゃれ空間に合わせやすいのが非常に魅力的です。
樹脂よりも木の方が機能性が劣るのではと心配になる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は木の熱伝導率はとても低く、一般的な外窓のアルミ製の枠と比較すると、およそ1500倍以上もの断熱性を誇るのもポイント。
さらに、吸水性があるため、室内の湿度を適度な状態に保ってくれる上、触れても冷たくなく、自然由来の温もりを感じるでしょう。
三協立山株式会社
三協立山株式会社は、住宅事業をはじめ、エクステリア事業、ビル事業、商業施設事業、マテリアル事業、国際事業など、とても多くの領域で事業展開をしている企業の1つです。
特に、建材事業においては、玄関ドアや引き戸、窓やサッシ、インテリア建材、門やフェンスまわり、車庫まわり、庭まわりといった、住宅に関する全てを網羅するほどの製品を取り揃えています。
今回ご紹介する内窓だけでなく、国土交通大臣認定の防火設備である防火窓であったり、一戸建て住宅にはぜひ取り付けたくなるような美しい天窓だったりと、様々な窓があるので、新築やリフォームの際にも要チェックな企業といえます。
場合によっては、全国各地にあるショールームで実際の製品を見て、触れて、感じることができるのも、嬉しいポイントですよ。
三協立山株式会社 | https://www.st-grp.co.jp |
プラメイクEⅡ
三協立山株式会社のプラメイクEⅡは、とても高い断熱と遮熱効果を特徴とする内窓です。
プラメイクEⅡを取り付けると、冷暖房における年間電力消費量がおよそ36%、灯油ストーブの年間灯油消費量がおよそ26%も節約でき、光熱費が高騰している昨今、とても家計に優しいリフォームが実現します。
また、高い防音効果も期待でき、およそ40dBもの遮音効果が得られるとされていて、騒音に悩まされている方や、ご自宅のペットの鳴き声が外に漏れていないか心配な方も安心できるはずです。
引き違い窓はもちろんのこと、開き窓やFIX、さらには勝手口やベランダに通じる窓の内窓として最適なテラスドアに至るまで、用途に合わせた形状のものを選ぶことができますよ。
大信工業株式会社
大信工業株式会社は、1949年創業の、建築資材をはじめ、自動車や電気製品部品などのあらゆる分野へ向けた樹脂押出成形部品の製造を行う、老舗の企業の1つです。
1970年には、イタリアのカラープラスト社と、硬質塩化ビニール樹脂の押出技術の提携をしたことで、日本初となる、樹脂製窓の製造を担うようになりました。
当時日本ではメジャーでなかった樹脂製の窓は、現在どのメーカーも一般的に取り扱うようになり、まさに、大信工業株式会社が先陣を切って、日本の住まいの断熱対策に取り組んできたことがわかります。
これから紹介する内窓プラストは、内窓リフォームを考えている方なら、1度はすでに見聞きしている製品なのではないでしょうか。
大信工業株式会社 | https://www.daishin-kogyo.co.jp |
内窓プラスト
大信工業株式会社の内窓プラストは、これまでの豊富な経験をもとに、エンジニアがとことんパーツを厳選し、質の良い樹脂のみを使用して作られた、非常に品質の高い内窓となっています。
既存窓と内窓プラストを組み合わせることで、なんと窓の表面温度が10℃も上昇するだけでなく、冬の暖房は4℃ほど下げても問題ないなど、非常に高い断熱性を発揮する製品です。
また、重油ボイラーの年間重油消費量は、およそ35%削減になるなど、お財布にも優しいのが嬉しいポイント。
そして、とにかく高純度の樹脂素材を独自配合して作られているため、色褪せしにくく、いつまでも新品のような風合いで使い続けることができます。
YKK AP株式会社
YKK AP株式会社は、世界全体の課題である脱炭素を牽引する建材メーカーであることを目指している企業です。住宅事業をはじめ、ビル事業、エクステリア事業、ビル建材第一事業、特需事業、産業製品事業を国内事業としています。
特に住宅事業においては、窓のブランドであるAPWを軸に、玄関ドアや窓まわりなど、様々な方面から健康で快適な暮らしを実現できるよう、安心安全な製品を多数取り扱っているのが特徴です。
また、樹脂製窓を中心に住宅開口部の高い断熱化を目指し活動していたという2021年度だけで見ても、前年比売上高109%を達成するなど、顧客からも高い支持を集めていることがわかるので、信頼に足る企業であるといえます。
YKK AP株式会社 | https://www.ykkap.co.jp/ |
マドリモ 内窓 プラマードU
YKK AP株式会社のマドリモ 内窓 プラマードUは、建築や住宅のプロの多くがおすすめしている内窓の1つです。高い結露対策ができるだけでなく、高い断熱効果を誇るため、冷暖房の稼働が最低限で済むなど、節約にもなります。
取手と錠が一体化している戸先錠を選べば、窓を閉めるだけで勝手に施錠されるなど、高い防犯効果を期待することもできます。
また、特筆すべきは、防災ガラスであること。ガラスとガラスの間には、フィルムが圧着されているため、万が一の台風や突風でものがぶつかって、ガラスが割れてしまったとしても、ほとんど飛散しないだけでなく、貫通しにくいといった特徴を持ちます。
シンプルなホワイトだけでなく、グレイ、木目クリア、木目ナチュラル、ミディアムオーク、ダークブラウンなど、部屋の雰囲気に合わせて、6色からお好みの色を選ぶこともできますよ。
株式会社LIXIL
株式会社LIXILは、2011年に日本国内の主要建材・設備機器メーカー5社が統合して生まれた企業。その後、世界的ブランドを傘下にしながら、世界150カ国以上でおよそ5万5千人もの従業員を擁する非常に大きな企業に成長しました。
トイレや風呂、キッチンなどの水回り製品をはじめ、馴染み深いTOSTEMやEXSIOR、INTERIO、SUPER WALLといった有名ブランドにより、窓、玄関ドア、エクステリア製品、インテリア建材などを幅広く展開しており、毎日10億人以上の人々の生活を支えているそうです。
また、2030年のSDGs達成を目指し、LIXIL × SDGs NEXT STAGEを掲げ、アンバサダーに内田篤人選手を迎えるなど、広い視野で、様々な取り組みを行っており、今後の活動からも目が離せません。
株式会社LIXIL | https://www.lixil.co.jp/ |
インプラス
株式会社LIXILのインプラスは、樹脂製の内窓であるため、非常に高い断熱効果が期待できます。社内試験では、室外温度が0℃であっても、インプラス取り付け後には、室内温度を20℃に保つことができたとのことです。
結露対策にも十分な効果を発揮するため、日々の掃除が楽になるだけなく、カビなどの発生を防ぐことから、お子様のアレルギー症状が軽減するなど、快適で過ごしやすい環境を実現できます。
また、人間は音のレベルが10dB下がるだけで、体感の音の大きさが半分になったと感じますが、インプラスを取り付けると、80dBの騒音が、およそ40dBほどまで下がるため、とても高い防音効果も感じることでしょう。
そして、Low-E複層ガラスを採用しているため、紫外線をカットすることができるので、家具や肌を紫外線から守ることもできますよ。
内窓の選び方

主要6メーカーの代表的な内窓・二重窓の特徴について押さえたところで、内窓の選び方についても解説していきます。
内窓を選ぶ際に、最も重要なのは、たくさんの効果を求めないということです。断熱効果も防音効果も結露対策も完璧なものと思っても、そう全てが自分の求めるレベルのものはなかなかありません。
欲張れば欲張るほど、どれも中途半端な効果しか感じられない可能性があるので、どういった効果を優先していくのか、明確に優先順位をつけて、選ぶことをおすすめします。
では次の7つをそれぞれ優先した場合の、内窓の選び方を見ていきましょう。
- 暖房効率を重視
- 冷房効率を重視
- 結露の軽減を重視
- 防音性を重視
- 防犯性を重視
- プライバシーを重視
- 見た目重視
暖房効率を重視
内窓リフォームを考える方の大半が、冬の寒い時期に、暖房をガンガン稼働しているのに、部屋が思うように暖まらないといった悩みを抱えています。
こうした寒い冬の暖房効率を重視するなら、とにかく室内の熱を逃がさない、なおかつ外からの冷気を入れないといった高い断熱効果のある内窓はもちろん、太陽光の日差しをしっかりと採り入れることができる内窓でなくてはいけません。
この場合、高断熱複層ガラスで、隙間の少ない樹脂製サッシのものを選ぶと良いでしょう。高い断熱効果がある内窓を設置することで、エアコンやストーブなどの稼働も最低限で済むため、節約やエコの面でも高い効果を発揮します。
冷房効率を重視
毎年過ごしにくくなっているベタベタと暑い夏の冷房効率を重視するなら、エアコンや扇風機などで下げた室内の冷気を外に逃がさない内窓を選ぶ必要があります。
さらに、太陽の光を採り入れつつも、熱や紫外線をカットできるものだと、なお良しです。
そのため、遮熱高断熱複層ガラスで、樹脂製サッシのものを選ぶ必要があります。遮熱や断熱どちらか一方のみの効果しか持たないガラスだと、あまり夏の冷房効果が上がったことを感じられないかもしれないので、注意が必要です。
また、湿度を一定に保つといった面で見れば、株式会社ウッドワンのMOKUサッシであっても、高い効果を発揮するでしょう。
結露の軽減を重視
窓に結露が発生して、日々の掃除が大変だったり、お子様がカビによってアレルギー反応を起こしたりしているといった悩みがあるなら、結露の軽減を重視して、内窓を選びましょう。
そもそも結露は、外の冷気に室内の暖かい空気が急激に冷やされることで発生する事象です。そのため、室内温度と室外温度の気温差を少なくするために、高い断熱性能を持つガラス、なおかつ樹脂製のサッシの内窓を選ぶことをおすすめします。
なお、北海道や東北地方といった、他地域よりも厳しい寒さになる地域では、断熱性能の高い内窓を設置したとしても、思うような結露対策にならない場合があるので、見積もり時点で、設置業者に確認してください。
防音性を重視
外の騒音に悩んでいたり、逆に小さなお子様の泣き声や、飼っているペットの鳴き声、楽器の音など、自宅から騒音が漏れていないかと心配だったりする方は、防音性を重視し、内窓を選ぶと良いはずです。
ただし、防音性能を高めるためには、既存窓と内窓の間の中間層の幅をとること、既存窓と内窓のガラスは別の種類のものを選ぶこと、内窓のサッシは樹脂製のものを選ぶことなど、様々な点に注意を払う必要があります。
せっかく内窓を取り付けたのに、思うような効果が発揮されにくい防音対策ですので、特に防音対策に深い知見や経験のある業者に依頼しつつ、どのような音を対策したいのかなど、具体的に相談することが大切でしょう。
防犯性を重視
空き巣や強盗など、様々な犯罪が増加傾向にある昨今、防犯性を重視して、内窓を取り付けたいという方も少なくありません。
たいてい内窓が増えるだけで、単純に2つの窓を破らなければ室内に侵入できないということになるので、犯罪を犯そうとしている側からすると、最初から侵入を諦める要因になりやすいですが、さらに防犯性を高めたいという方もいるでしょう。
その場合には、特殊フィルムを挟んで作られた、防犯合わせガラスの内窓を選ぶと安心です。もし金槌やバールなどで窓ガラスを破壊しようとしても、貫通しにくく、割れたとしてもガラスが飛散しないという特徴があります。
もちろん、台風や地震などの際にも、窓ガラスが飛び散って怪我をするというようなことを予防できるというメリットもあります。
プライバシーを重視
家の前の交通量が多かったり、人通りが多かったりして、家の窓に日中でもカーテンをかけているという方、あるいは窓と隣の家の窓の位置が似ていて、お互いの室内が覗けてしまうといった場合、プライバシーを重視した内窓設置がおすすめです。
すりガラスの内窓を選ぶだけで、カーテンを閉めなくても、プライバシーを保護することができる上、きちんと太陽光を採り入れることも可能となります。
もちろん、断熱効果なども一緒に享受できるので、一石二鳥ですよ。
見た目重視
色々な効果も大切だけど、効果の高さよりも、部屋の雰囲気を良くしたいという方は、見た目を重視して内窓を選んでも良いでしょう。
サッシのカラーは、単色のものはもちろん、木目調のものなど様々な部屋の雰囲気に合わせたものから選べることが多いです。
また、ご紹介した株式会社ウッドワンのMOKUサッシであれば、そもそもパイン材で作られているため、木の温もりを部屋に取り入れることもできます。
さらに、和室などの障子に代わる、障子風の内窓というものも存在しており、和の雰囲気を採り入れながらも、断熱効果や防音効果などをきちんと感じることができるので、おすすめです。
まとめ
有名メーカー6社の内窓・二重窓の特徴についてだけでなく、内窓の選び方についても徹底解説してきました。
どの内窓にも、様々なメリットがあり、目移りしてしまいますが、後悔しない内窓リフォームのためには、どの効果を重視するのかといった優先度をつけることがとにかく定説です。
あれもこれもと欲張らず、絶対に譲れない効果を確実に期待できる内窓を見つけ、信頼できる施工業者に取り付けてもらうことで、はじめて納得のいく内窓リフォームが実現すると言っても過言ではありません。
時には各メーカーや施工業者に、気になる内窓について問い合わせるなどして、とことん突き詰めてから、内窓を設置してくださいね。