内窓・二重窓に限らず、窓は時折熱割れという現象を引き起こすのをご存知でしょうか?
中でも、Low-E複層ガラスの内窓を取り付けると、熱割れが起きやすいという噂もあり、これから内窓を取り付けようと考えている方は、特に注意を払う必要があります。
そこでこの記事では、内窓がLow-E複層ガラスだと熱割れしやすいのかについてをはじめ、そもそもの窓の熱割れの原因や熱割れを予防する方法、万が一熱割れが発生してしまった場合の対処法などを徹底解説していきます。
内窓・二重窓の補助金2023年最新情報についても、こちらの最新補助金情報ページでご確認ください!
窓ガラスの熱割れとは

窓ガラスの熱割れとは、窓に外からの衝撃が加わって割れるのではなく、文字通り熱が原因で自然に割れてしまうという現象のことです。
1枚のガラスの中で、高温の箇所と、低温の箇所が生じ、温度差ができてしまうことにより、ガラスに負担がかかり、割れてしまいます。
ちなみに、割れると言っても、いきなり割れて飛び散るというのではなく、一部分にいつの間にかひびや亀裂が入っていることで、気付くことが多い現象です。
そのため、普段から窓ガラスを気にしていないと気付くのが遅くなりがちな現象でもあります。
冒頭でも述べましたが、Low-E複層ガラスの内窓・二重窓を取り付けると、熱割れが起きやすいという噂もあるので注意が必要です。
熱割れの原因

1枚のガラスの中において、高温の箇所と低温の箇所の温度差が生じることによって発生する熱割れですが、さらに細かくみていくと、次の6つのような原因が考えられます。
Low-E複層ガラスの内窓・二重窓を設置すると熱割れが発生しやすいという噂もあるので、原因をしっかりと理解しておきましょう。
- 経年劣化
- エアコンの室外機の熱風
- 冷暖房からの熱気や冷気
- ガラスに貼ったフィルム
- ワイヤーの錆
- 遮光カーテン
経年劣化
多くの熱割れの原因は、窓ガラスそのものの経年劣化であると言われています。
見た目ではわからなくても、実は劣化が進んでいることが多いガラスは、およそ20〜30年ほどの寿命であると言われており、長年蓄積された熱による温度変化にある日突然耐えきれずに熱割れを引き起こします。
また、ワイヤーが内蔵されたガラスの場合には、さらに寿命が短く、およそ10〜15年ほどで経年劣化してしまうことがあり、特に熱によってワイヤーが伸びることに耐えきれずに、前触れなく熱割れを生じることが多いと言われているので、注意が必要です。
エアコンの室外機の熱風
特に本州では、1世帯に1つは必ず設置されていると言っても過言ではないエアコンの室外機から出る熱風も、窓ガラスの熱割れの原因となる場合があります。
特に、窓ガラスの位置が、室外機からの熱風が直接当たる箇所の場合には、熱割れのリスクが高まるので、注意が必要です。
冷暖房からの熱気や冷気
室内においても、冷暖房器具から発せられる熱気や冷気が直接窓ガラスに当たっている場合に、熱割れの原因となる場合があります。
極端に窓の近くでストーブを付けることは特に危険ですので、やめるようにしましょう。
ガラスに貼ったフィルム
窓ガラスの内側外側に関わらず、防犯目的、飛散防止目的、遮光目的、断熱目的、遮熱目的といったあらゆるフィルムを貼り付けていると、時にガラス内部に熱がこもりやすく、熱割れの原因になる場合があります。
確かにとても便利なガラスフィルムではありますが、特に、ワイヤーが内蔵されたガラスや、Low-E複層ガラスには、フィルムを貼らない方が良いとされているので、注意してください。
ワイヤーの錆
こちらもワイヤーが内蔵されたガラスに当てはまることではありますが、内部のワイヤーが経年劣化などにより錆びてしまうことで、ガラスに伝わる熱の温度にむらができやすく、窓割れが生じやすくなると言われています。
ワイヤーが錆びてしまう原因としては、経年劣化だけでなく、結露による水分などが挙げられるので、結露がひどい窓であるなら、結露対策を施すことも大切です。
遮光カーテン
光を遮ることに特化した遮光カーテンも、時に熱割れの原因になりかねません。
特に、真夏の暑い日に、部屋に日差しを入れないために締め切った場合に、遮光カーテンと窓ガラスの間に熱がこもってしまい、非常に高温になることで、窓ガラスに熱割れが生じやすいと言われています。
内窓がLow-E複層ガラスの場合熱割れしやすい!?

窓ガラスが熱割れする原因について、掘り下げて解説してきましたが、中でも、Low-E複層ガラスの内窓・二重窓を設置している場合、熱割れが発生しやすいという噂があります。
残念ながら、これは単なる噂ではなく、特にLow-E複層ガラスが既存窓であり、さらに内窓がLow-E複層ガラスである場合には、危険度が増すと言われているので注意が必要です。
そもそも、Low-E複層ガラスは、ガラスの内側に、Low-E膜と呼ばれる特殊な金属コーティングが施されたものであり、この金属膜が、熱を反射する性質を持っていることから、断熱性や遮熱性が高いと言われており、とても人気の高い窓ガラスの1つです。
しかし、このようにLow-E複層ガラス自体が非常に高い遮熱性と断熱性を兼ね備えていることが仇となり、熱割れしやすくなっていると言われています。
特殊な金属膜が反射した熱が、外窓と内窓にこもることで、とても高温になりやすく、そのうち、高温に窓ガラス自体が耐えきれず、熱割れを引き起こすというのが、Low-E複層ガラスを内窓にすると熱割れしやすいと言われている所以です。
近年では、Low-E複層ガラスがとても優れたガラスであるために、国や地方自治体による補助金交付の条件となっていたり、補助金の増額の条件となっていたりするために、内窓設置時にむやみやたらに業者に進められることもありますが、熱割れの原因になるかもしれないということを念頭に置き、慎重に選ぶことをおすすめします。
熱割れを予防する方法

Low-E複層ガラスはもちろんのこと、内窓・二重窓に限らず、そもそも窓ガラスの熱割れを予防する方法が全くないのかというとそんなことはありません。
ここでは、7つの予防方法をご紹介していきます。
- 日当たりが良い窓には窓の外側にすだれなどを設置
- エアコンの室外機の向きを変える
- 冷暖房から出る熱気や冷気をガラスに当てない
- 窓の周辺に物を置かない
- カーテンなどをガラス面に密着させない
- フィルムなどを貼らない
- 窓の掃除をこまめにする
日当たりが良い窓には窓の外側にすだれなどを設置
熱割れは、窓ガラスの熱の温度差で発生するため、そもそも高熱にならないようにすることで、予防することができます。
そのため、日当たりが良いと感じる窓には、外側にすだれなどといったものを設置し、日差しを直に窓ガラスに当てないようにすると安心です。
エアコンの室外機の向きを変える
エアコンの室外機の熱風が、窓ガラスに直撃しているという場合には、エアコンの室外機の向きを変えて、熱風が窓ガラスに当たらないようにするという工夫が必要です。
ただし、近隣の住宅などに当たるようになるなど、人の迷惑になったり、別の危険が生じる可能性があったりする際には、慎重に検討する必要があります。
冷暖房から出る熱気や冷気をガラスに当てない
室内のエアコンなどから出る熱気や冷気を直接窓ガラスに当てないという配慮も必要です。
特に、見事に熱気や冷気が直撃しているという場合には、可能であれば、冷暖房の位置を変えたり、難しければ、風向きを一定にせず、色々な方向に向くようにしたり、サーキュレーターを用いたりして、窓に向かないようにしたりといった対処をしましょう。
窓の周辺に物を置かない
意外かもしれませんが、窓の周辺に物を置かないというのも、熱割れを予防する手段の1つです。
窓の近くに物があることで、ガラスの熱が逃げにくくなり、均一な温度でなくなる原因となります。
窓に座布団などといったものを立てかけることは言語道断ですが、窓部分で洗濯物を干すなどといったこともしないように、気をつけましょう。
カーテンなどをガラス面に密着させない
ガラス面にカーテンや、ブラインド、ロールカーテンなどといった遮蔽物を密着させない工夫も必要です。
一部だけ密着していたとしても、ガラス面の熱の伝わり方が均一にならないため、熱割れの原因になりかねません。
日常生活において、あまり意識していない箇所だと思いますので、今一度各部屋のカーテンやブラインド、ロールカーテンなどの状態を確認してみることをおすすめします。
フィルムなどを貼らない
特にワイヤーが内蔵された窓の場合には、窓ガラスに色々な効果を持つフィルムを貼らない方が懸命です。
また、小さなお子様がいらっしゃるご家庭は、お子様がシールなどをガラスに貼付してしまうことがあるかと思いますが、こうしたシールなども、ガラスの熱が均一にならず、温度差が生じてしまう原因となりますので、窓に不用意に何か貼り付けることがないように気をつけてください。
窓の掃除をこまめにする
ワイヤーが内蔵された窓の場合には、ワイヤーの錆びを抑止することができるため、窓の掃除をこまめに行うことも大切です。
特に結露が発生しがちな窓は、放置しておくと水分がガラス内に入り込み、ワイヤーが錆びつきやすいので、結露対策も行うとより安心できるでしょう。
万が一熱割れしてしまった時

窓ガラスの熱割れを予防する方法をお伝えしましたが、Low-E複層ガラスの内窓・二重窓に限らず、いくら気をつけていても、経年劣化するなどして、どうしても熱割れが生じてしまうこともあるかと思います。
万が一、窓ガラスに熱割れを発見したら、放置しておくのは危険です。放置しているうちに、どんどんひび割れの箇所が増えていくなどして、最悪の場合割れて飛び散ってしまう可能性もあります。
また、ひび割れしていると、防犯面でもリスクが高まりますし、脆くなっているため、台風などで衝撃を受けたら大惨事になりかねません。
そのため、熱割れを見つけたら、すぐに業者に連絡をし、修理あるいは交換といった対処をすることをおすすめします。
まとめ
内窓の熱割れについて、この記事では、内窓・二重窓がLow-E複層ガラスだと熱割れしやすいのかをはじめ、そもそもの窓の熱割れの原因や熱割れを予防する方法、万が一熱割れが発生してしまった場合の対処法などを徹底解説してきました。
ある程度原因を取り除けば、経年劣化による熱割れ以外は予防することができます。
また、熱割れが生じても、すぐに飛び散ることは少ないので、冷静な対処が必要です。
内窓を設置する際には、熱割れについてのリスクを業者にきちんと聞いて、納得いってから設置するようにしましょう。