おうちのリフォームでよく聞くのが内窓・二重窓リフォームです。リフォームすることで、多くのメリットを得ることができるため、人気のリフォームとなっています。ただし、内窓・二重窓リフォームについてしっかり学んでおかなければ、失敗する恐れもあるので注意が必要です。
そこでこの記事では、内窓リフォームについて必要な費用や注意点についても詳しく解説していきます。
内窓・二重窓リフォームで得られる効果

まずは内窓・二重窓リフォームで得られる効果をご紹介していきます。今回ご紹介する中には、皆さんの中にもあてはまるものがあるかもしれません。もし該当するものがあれば、内窓リフォームをおすすめします。
夏も冬も快適
内窓を設置することにより断熱効果の効果があります。夏の暑い時期には、外からの熱風を遮ることができ、冬の寒い時期には、暖房などで暖めた空気を外に逃がさないので、お部屋の中もポカポカです。
一枚窓のガラスには、断熱効果は備わっていないため、寒い時期は空気が外に逃げてしまい、常に暖房を利用しなければいけない状況になってしまいますが、内窓があればそれが必要なくなります。そうすることで、省エネにもつながってきます。
結露知らずできれい
冬の寒い時期、窓に結露が出て悩まされているご家庭も多いのではないでしょうか。結露とは、外気との温度差によりおこる現象で、酷いときには結露で発生した水分が、水たまりのように溜まってしまうご家庭もあるほどです。
結露が多い環境では、家具などにダニやカビが発生し衛生的にもよくありません。内窓は、このような結露の発生を減少させてくれます。100%結露がなくなるというわけではありませんが、今の状況よりも間違いなく減少するでしょう。
防音性能が上がる
普段生活をしていると、外からの騒音に悩まされたりしていませんか。車や電車、犬の鳴き声や人の声など、外からはいろいろな音が聞こえてきます。逆に家の中から外に発せられる音が気になる方もいるはず。楽器を弾く音や赤ちゃんの鳴き声など、お隣ご近所に迷惑をかけているかもしれないというお悩みを持つ方もいるでしょう。
そのような悩みを解決してくれるのが内窓なんです。家の中にいると、通常の生活レベルでは55dB程度の音が聞こえるとされています。これ以上であればうるさい、これ以下であれば静かと判断されます。内窓を取り付けることにより、10dBから商品によっては40dB程度軽減されるとされています。
人間の耳は、10dB減少するだけで、通常聞こえる音が半減して聞こえるといわれています。このようなことからも、10dB減少するというのは、相当騒音を解消してくれるということになるのが分かるでしょう。
防犯性能が上がる
内窓は、既存の窓の内側に、もう一枚付けた窓のことをいいます、つまり二枚の窓で構成されるわけです。もし泥棒や不審者が自宅に侵入しようとした際、二枚の窓を壊す必要があり、その分時間を稼ぐことができ、様々な対応をすることができます。
侵入者の心情的に、二枚の窓が設置されている建物というのは敬遠しがちになります。このようなことからも、防犯対策にも役立つリフォームになります。
内窓・二重窓リフォームのデメリット

多くの効果がある内窓ですが、内窓リフォームにはいくつかのデメリットもありますのでご紹介していきます。
費用が掛かる
より効果の高いものを設置しようとした場合、金額的にかなり高価になります。もちろん1枚窓のリフォームよりも数段高くなるので、ある程度の資金力が必要になります。
メンテナンスが困難
単純に窓が2枚に増えるわけですから、その分の掃除は大変になります。サッシの隙間や窓ガラスなど、掃除をする箇所が増えるためその分の労力が必要になるでしょう。
窓の開閉が手間になる
それまで1枚の窓を開ければよかったものが、リフォームすることで2枚の窓を開閉する必要があります。窓を開閉するだけでもちょっとした手間になるでしょう。
内窓に使用するガラスの種類を選ぼう
内窓に使用するガラスはとても重要です。それは、どのような目的で内窓リフォームをするかにより選ぶガラスが変わってくるためです。絶対にしてはいけないのが「ガラスは何でもいい」ととりあえず内窓を設置するということです。これでは、リフォームする目的を達成できないまま終わってしまう可能性があります。そのため、ガラスの特徴も把握しておかなければいけません。
単板ガラス
一枚ガラスともいわれ、内窓のガラスで一般的に使用されているガラスです。特に特殊な加工はなく、断熱効果・防音効果・結露減少・防犯性の向上など平均的な効果をハックするといえるでしょう。
ペアガラス
断熱効果を発揮するのがペアガラスです。複層ガラスともいわれ、2枚のガラスを組み合わせて1枚のガラスにしたもので、その2枚のガラスの間には薄い空気層が作られているため、既存の窓と内窓の間の空気層と合わせて、2重の空気層で空気を逃がさない役割を果たしてくれます。ただし、防音効果には乏しいガラスなので、防音効果を期待している方には不向きなガラスになります。
合わせガラス
ペアガラスと同じように2枚のガラスを組み合わせて1枚のガラスにしていますが、その間は空気層ではなく中間膜と呼ばれる、防音・防犯に適した機能をもった素材を挟んでいます。そのため、防音効果や防犯性の向上の効果を求めたい方は、合わせガラスを選ぶといいでしょう。しかし、断熱効果や結露減少の効果は発揮しないため、それらを目的にされている方は、選んではいけないガラスになります。
真空ガラス
こちらは2枚のガラスの間に真空層を作り出し、1枚にしたガラスになります。断熱効果・防音効果・結露減少すべてに効果を発揮してくれますが、防犯向上には不向きなガラスになります。多少効果になりますが、多くの効果を求めたいという方におすすめのガラスになります。
内窓・二重窓リフォームに必要な費用
内窓・二重窓リフォームに興味はあるけど、どのくらいの費用が掛かるか気になるという方も多いのではないでしょうか。リフォームと聞くと、かなり高額な費用が掛かるというイメージがありますよね。
一般的には施工会社に依頼した場合、商品代金と施工費用合わせて8万円〜15万円程度になると予想されます。また、性能の良いサッシやガラスなどを選ぶと30万近くになることもあります。これは、リフォームを依頼する企業や内窓の性能によっても金額は変わってくるため、あくまでも参考にしてください。
もしDIYで内窓を設置する場合は、1万円〜5万円程度で行うことができるでしょう。
リフォームを行う際の注意点

ここまで、内窓リフォームについて解説してきましたが、どのような効果があるのかお分かりいただけたと思います。自分も同じようなことで悩んでいるから内窓を設置したいと思われた方もいるのではないでしょうか。ただ、内窓リフォームをする際には、いくつかの注意点もあります。設置できない条件などもあるため、ご自宅の窓まわりと照らし合わせてご覧になってください。
設置できる箇所かどうか
内窓はどの窓でも設置できるわけではありません。新しい窓を取り付けるための幅が必要になります。既存の窓の内側に、内窓を設置するためのスペースがない場合、設置はできません。少なくとも70mmのスペースは必要になります。これがあるかどうかをまずは確認するようにしましょう。
また、内側に開くタイプの窓も同じく設置することは不可能です。想像していただければわかると思いますが、既存の窓が内に開くタイプのものであれば、新しく設置した内窓にぶつかってしまいます。そのため、そのような構造の窓にも設置することはできません。
共用部分になっていないか
マンションにお住まいの方は独断でリフォームすることができません。必ずマンションの所有者に確認する必要があります。大抵の場合は、所有者の専有部分として所有者判断でリフォームしてもいいかどうかの返事をもらうことができますが、稀に所有者判断ができず管理会社に話を通さなければいけない可能性もあります。
そのため、初めにマンションの管理会社に問い合わせて、窓部分が共用部分になっていないかを確認する必要があります。
補助金が準備されていないか
省エネに該当するリフォームには補助金が出ることを皆さんはご存じでしょうか。全国で採用されており、内窓リフォームもこれに該当します。もし内窓リフォームをお考えの場合は、補助金を受けられるかどうかを確認したうえで、リフォーム準備に入るといいでしょう。
DIYで失敗することも
内窓を設置しているご家庭の中には、自分で取り付けたという方もいるのではないでしょうか。内窓は、必要な材料を購入すればDIYで設置することが可能です。特に難しいことがなく、費用も安く済むことからDIYでの設置をお考えの方も多いと思います。
しかし、一見しっかり設置されているように見える窓ですが、ゆがみが生じている場合があります。この場合、内窓をDIYするのは素人には非常に困難といえるでしょう。せっかく道具も揃えたし頑張ってみようとして失敗してしまっては、さらに悪い状況になってしまい余計に費用が掛かる可能性があります。
そのため、DIYで失敗したくないと思われるのであれば、専門業者にお願いするのがいいでしょう。
目的に合っているかどうか
はじめにご紹介したように、内窓を設置することで多くの効果がもたらされます。どのような効果を期待して内窓を設置するのか、しっかりと施工業者に伝える必要があります。もし何となくよさそうだからという理由で設置してしまっては、意図する効果を得られない可能性もあるので目的ははっきりさせておきましょう。
一ヵ所だけのリフォームはダメ
内窓を設置し、断熱や結露などの効果を発揮させたいと思う場合、同じ部屋に複数の窓がある時は、一ヵ所ではなくすべての窓のリフォームをする必要があります。
一ヵ所だけ行っても、他の窓で結露など同じようなことが起こるでしょうし、断熱や防音などの効果も得ることはできません。同じ部屋だけでなく、もしかしたら、その近辺の窓のリフォームが必要な場合もあります。そのためリフォーム前には、どの窓をリフォームするのかをしっかり決める必要があります。
まとめ
この記事では、内窓・二重窓リフォームについて解説してきました。
多くの効果をもたらす内窓リフォームは、多くのご家庭で実施されている人気リフォームです。ただし、内窓の特徴や注意点をしっかり把握しておかなければ、リフォーム後に「思っていたものと違う」「理想の効果が得られない」などの後悔が生まれる可能性があります。
住みよい暮らしを実現するためにも、今回の記事を参考に、理想の内窓リフォームを実現してください。